死にたがりの貴方へ
未だに希死念慮を抱いていますか?
大学生の時に会った貴方はどこか寂しげでアンニュイな雰囲気を漂わせるのが上手かった。
明らかに住んできた世界が違う私達が交わることなんてないと思っていた。
それでも、貴方の雰囲気の行方を知りたくて、意を決して友達になろうと歩み寄ってみた。
案の定、拒絶され、大きな壁を作られた。
私はそれなりに人と仲良くなるのがうまい。
貴方と仲良くなりたい、というよりは攻略したい。という下心の方が大きかった。ここだけの話ですが。
どんなに遊びに誘っても、家に乗り込んでも心を開いてはくれませんでした。
でも、結局はタイミングときっかけだったみたいです。
二人で買い物をしなければならない状況下に立たされ、彼女からは嫌そうな雰囲気が香った。
それでも私はこの子を攻略したい気持ちで溢れていたので、貴方の気持ちなんて考えてはいなかった。ごめんなさい。
お互いの過去を話してみる時間があり、双方の抱える秘密を知ることになった。
秘密と言ってもありがちな事ではあるけれど、それが私達の唯一の共通点でもあった。
そこから私がただの陽キャ、おしゃべりモンスターではない事。本当は一人が好きな事。オンオフの切り替えが激しいことを彼女は少しずつ見抜いてくれました。
そのおかげで、敵ではないことを確認し、大きな大きな壁は壊された。
大学ではお互い友達もほぼいなくて、むしろ一人でいることの方がなんとなくかっこいいとも思っていた若僧。
そんな私達が一緒に居るようになり、みるみる大学生活が楽しくなっていました。
私が姿を消した大学2年の1年間は記憶がないとも言ってくれました。
服が好きで、ジャンクフードが好き。ポテトに目がない。白いご飯が食べられない貴方。
フルーツも苦手だから、サプライズでケーキを用意するなんてことになった時は相当困りました。
変な女の子だけれど、それが心地よかったりもして、なんだか珍しく落ち着いた気分になれたんです。
いつも死にたいと口にする貴方は、死にたいながらにもたくさんの楽しみを見つけて、一人で強く生きているようにも感じます。
貴方のその強さはごく僅かの人しか知らないけれど、それを知ることのできた私はすごく誇らしいです。
私に会ったおかげで、仕事を辞める決意ができたと言ってくれました。
私から逃げないでよかったと言ってくれました。
貴方のいないこの田舎での生活はとても退屈です。
もうすぐ貴方のいる都会へ繰り出してみようと思います。
貴方に会えると思うだけで世界が変わる気がします。
私は貴方より先に死ぬわけにはいきません。
目を離すと、すぐフライドポテトばかりの生活になってしまうし、食事とも言えない名前ばかりの栄養補給をしてしまう気がして。
これは私のエゴでしかないけれど、私は貴方が大口を開けて笑うその顔が大好きなのです。
貴方が笑うと、クララが立った並みの感動を覚えます。
社会人になって2年目。
貴方が会いにきてくれた2回を無駄にはしたくないので、私は折り返しの切符は買わずに貴方に一回だけ会いに行きます。
いつもありがとう。
心の支えです。なんて言うと気持ち悪がれるのは知っています。
追伸 こんな話をnoteに綴ってしまっている自分がだいぶ気持ち悪いですが、それも私だと思って、久々に二人で餃子でも行こう。
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