前田って呼んでもいいかな？

すみません！店頭フリーゼロです！

忙しなく進む時間とレジには途切れない客の列。ぜんまい人形のように出勤前に頭のぜんまいをクルクル、ジリジリと回して。

私が彼女と出会ったのは2021年4月は春。新卒で入った会社の上司だった。柄にもなく緊張して初出勤。ドキドキのアパレル生活の始まりだった。

ショートカットにパーマ、白い肌、オーガニックが好きそうな顔、バレリーナのような歩き方。一回り以上年上の彼女が友達になるまでに時間はかからなかった。ついにはタメ口で話すように。

入社早々、「緒方さん〜なんて呼ぶか決めなきゃね！」「考えとくね！」

新入社員が入ったらこうやって呼び方を決めているらしい。

私の呼び名はオガちゃんになった。正直言ってしまえば、ブンちゃんの方が嬉しいし、オガってなんだよ！緒方のオガかよ〜。なんて少し不満に思ってた。

彼女は私の3人目の教育係だった。スタッフの出入りが多いアパレルではよくあること。私は彼女が最後の教育係で本当に運が良かったと思う。

文章を書くのと同じくらいふざけるのが好きな私。いつも店頭で遊んでいた。彼女を見つけるや否や、客のふりをして話しかけてみる。キラキラ笑顔120%で振り返る彼女の真面目さが大好きで尊かった。レジをしている彼女。ハンガーを取りに行くフリをして足首を思いっきり掴んでみる。ビクッと体から震え、優しい睨みを効かせてくる。

23歳になったばかりの生意気な小娘を娘のように妹のように時には友達のように接してくれた。


仕事の事で行き詰まったり悩んだりしていると必ず声をかけてくれて、話を聞いてくれる。月に一回ある彼女との面談が大好きだった。23:00近くまで残業してその後に駐車場で話すのが大好きだった。定時上がりで駆け込む街中華。仕事が上手くいかず泣きながら中華をかき込む私。サービスの杏仁豆腐に2人で喜んだ。

私が上京したい意向を示した時も、力一杯背中を押してくれた。オガはここじゃないから、東京に出てみたほうがいいと思うよ。

いつも私の気が済むまで話を聞いてくれて、後押しをしてくれる上司。元気が足りないことにすぐに気がついてくれるお姉ちゃん。少しの変化をすぐに褒めてくれる友達。

優しさの塊みたいな人で、芯はちゃんと太くて、面倒見がいい、私の憧れの人。

私はあなたのおかげで今生きていけてるし、書くことが楽しいと思えてます。

グラグラの精神状態を優しく支えてくれたあなたになんとお礼を言えばいいか。

今日はそんなあなたの卒業の日みたいだね。
楽しかったですか？大変でしたか？最終出勤会いにいけなくてごめんなさい。電車の中で今書いてます。あなたと過ごした日々を思い出すと視界がボヤけてきます。

色んなありがとうで溢れていてこの文章では伝えきれません。すぐに会いに行きます。お疲れ様でした。昨日までも今日までも今日からもずっとえみさんが大好きです。