結局

年度はじめ、私の異動は叶わなかった。
しかし、お局は異動となった。
一度内示が変更されたゴタゴタの末、新天地はこれまでと全く違う部署な上、人手不足で通勤距離もぐんと伸びてしまった。
見る人が見れば左遷のような異動である。
最初こそ同情をした。
お局曰く上司からの打診があったものの、異動するか辞めるかの2択しか選べないような言い方だったのだという。長年勤め上げた末にこんな扱いを受けるなんて悲しいと泣くお局に少しつられて涙が滲んだし、めげずに頑張って欲しいと思った気持ちに嘘はなかった。

そして新年度、お局の後釜が着任した。
その人は恐らくお局と同年代だが、そうは見えないくらいとても腰の低い人だった。まだ年数の浅い私でもしっかりと立ててくれる人だ。
前の部署にもかなりキツイ人がいて、大分長い間いびられ続けてきたようだった。部署を超えてその性根の悪さは有名らしく、複数人からやっぱり大変だったの?と聞かれている。
しかし後任さんは「ご想像にお任せします」と困り笑いをする程度で決して人を悪く言わない。何度聞かれてもそうだった。
私はその対応に感動を覚えた。

息をするように人の悪口を言っていたお局と音違いだ!!

そして少ない人数なのに、全員の悪口陰口を網羅していたお局が異常だったのだと気付かされる。
改めてお局異動してくれてありがとう!!と心の中でガッツポーズをしてしまった。

まだ数日だが、新しい風が吹き込んだ職場は明らかに空気がいい。
もう誰もお局のセンサーに怯えなくていいとのびのびしているのが伝わるし、実際口に出している人もいた。

お局がいなくなったことで仕事が再分配され、タスクは増えたけれど、全く苦にならない。
これからも頑張りたい。

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