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【ゲーム考察】モンストは継続率施策の宝箱

こんにちはFujiです。

スマホゲームを運営するプランナーにとって、高い継続率を維持するのは永遠の課題であり、「継続率」は喉から手が出るほどほしいものだと言えます。
とはいえ、スマホゲーム市場ではいまだに毎月のように新しいゲームが生まれ、ユーザーの取り合いになっていて、継続率を維持するのはとても難しい状況です。

どうすれば高い継続率を維持することができるのでしょうか?
またその施策はどのようにして考えればよいのでしょうか?

そんなことを日々考えるプランナーの方のために、モンストが1つのヒントになると僕は考えます。

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モンストはたくさんの継続施策があるし、リリースから6年以上経過してもいまだに売上トップ層にいるバケモノアプリです。
もしかすると「昔は遊んでいたけど最近のモンストの状況は知らない」という方も少なくないと思いますが、6年以上も結果を出しているアプリですから、学べることはたくさんあると思います。

今回は4つの仕組みについて紹介・解説したいと思います。




運極システム

「運極」とは、全てのモンスターに付与されているパラメータの1つである「ラック」の数が、99になった状態のことです。

「運極」状態のモンスターを作るためには、同じモンスターを99体分合成する必要があります。

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運極の何が良いかというと、運極状態のモンスターを先頭に編成してクエストに勝利すると、「ラックボーナス」といって報を2個確定でもらうことができます。
つまり運極を持っているとよりお得なんですね。
素材を効率よく集めることができるようになります。

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そして、「運極ボーナス」といって、運極モンスターの所持数が増えれば増えるほど、ボーナスがもらえます。
オーブがもらえたり、コンティニュー時にオーブを消費しなくても良くなったり、ストライクショットが溜まった状態でクエストを始めることができたり、難易度の高いクエストで勝利するためにはこのようなボーナスを携えて行った方が有利になります。

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さらには、高難易度クエストへの参加条件が「運極5体所持」となっているので、運極を持っていれば高難易度クエストへ挑戦することができます。

・継続プレイが必須のシステムは強い
この運極システムの何が継続率に良いかといえば、シンプルに「周回プレイを必須としていること」ですね。
運極を作るためにモンスターを99体集めようと思ったら、クエストの周回は避けられません。
だから、運極を集めるために毎日毎日クエストをこなしていく必要があります。
これが純粋に継続プレイに繋がります。

・運極×イベントログボ×イベントミッションの組み合わせが強い
ゲーム内でコラボイベントを開催した時に、コラボキャラがログボとミッションの報酬になっていることがあります。

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ログボもミッションももらえるキャラクターは同じで、ログボでもらえるキャラクターは1日に3体ずつほどもらえます。
コラボ期間中全てログボでモンスターを集めると、だいたいラックが50~60くらいになるようにキャラクターがもらえて、あとはゲーム内のミッションで報酬としてキャラクターを集めると、運極状態まで持っていくことができます。

運極ボーナスの良さが分かっているユーザーにとって、運極モンスターの所持数を増やすことは優先して行いたいことです。
そこに、「イベントログボ&ミッションで運極が作れる」と告知されれば、毎日欠かさずにログインしたくなるのは当然のことでしょう。

・運極×イベントクエスト
イベントクエストは膨大な数のクエストが時間ごとに毎日ローテーションで切り替わっているモードです。

イベントクエスト

イベントクエストに出てくるモンスターを運極状態にしたいと思った時、毎日同じクエストを遊べるわけではないし、追憶の書庫(時間関係なくいつでも挑戦できるイベントクエスト)も遊べる回数が1日に限られているので、イベントクエストにお目当てのクエストが来た時には、必ずやっておきたい、という心理状態になります。
さらにそこに、「このクエストが出てきたら通知する」という便利機能があるので、通知されればログインをしてクエストをやる、というルーティーンができます。

こうして継続プレイが生まれることになります。


モン玉ガチャ

モン玉ガチャとは毎月行われるガチャ施策で、より継続プレイをすることでよりレアなキャラがもらえるようになる、中身が変化するガチャです。

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全員一律でモン玉Lv.1からスタートして、ポイントを稼ぐことでMAX5まで育てることができます。

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このptは1日最大300ptまで獲得できて、その獲得方法は「ゲームログイン」「クエストプレイ」です。
計算すると分かりますが、Lv.5まで到達するためには25日間の継続プレイが必須です。

初心者にとっては継続プレイするだけで良いキャラがもらえる美味しいガチャなので、このモン玉ガチャは特に初心者の継続率向上に相当効果的な施策だと思います。

特に「クエストプレイ」を必須条件とするのは良いですね。
運極システムがあるので周回プレイは免れなくて、どうせ周回が必要なら毎日コツコツやるしかない、まぁモン玉のLvも上がるし良いか、という気持ちにさせてくれます。

プレイヤーには「ログインのみ勢」という層が少なからずいると思いますが、その人達にプレイを促す仕組みとしてはとても有効だと思われます。

他のゲームの似たような施策でパワプロの「ガチャ券の芽」がありますが、あれはログインしてタップすればガチャ券の芽が育っていくので、プレイしなくても済んじゃいます。

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でもプレイをせずにガチャ券の芽だけを育てていると、「どのキャラが欲しくてこれ育ててるんだっけ?」といつかなると思うので、やはりゲームプレイをさせることはとても大事だと思います。

モン玉ガチャのような施策の中にゲームプレイを組み込んでいるのは、毎日プレイする中で「やっぱりこういう能力のキャラほしいな・・・」と思う瞬間が訪れると思うので、より継続プレイを促していると思います。


始まりの道

「始まりの道」とは、ミッションをクリアして一定のポイントを集めることで、報酬がもらえる施策です。

始まりの道

全てのポイントを集めると「☆6確定ガチャ玉」を獲得することができます。
「始まりの道」という名前にもあるように、これはガッツリ初心者向けの継続施策となっています。

ゲームを始めた人にとってはオーブを集めたいですし、☆6のキャラクターを獲得したい状況です。
さらに、☆6モンスターを最終目標にして、それまでのポイント集めが小刻みな目標として機能しているので、「始めたけど要素が多くて何からやれば良いか分からない」という課題を解決していると思います。


モンストの日

「モンストの日」とは、毎月10日、20日、30日にゲーム内でお得なスーパーのキャンペーンのような企画です。

具体的には、
・強化合成 大成功確率100%
・ラック引き換えに限定アイテム登場
・スタミナ1で挑戦可能なクエスト登場
などなど。

今まで紹介した継続施策は「続けてプレイすれば良い報酬がもらえるよ!」と目標を提示しているタイプでしたが、
「モンストの日」は「毎月この日に来てくれればお得だよ!」と、どちらかというと休眠ユーザーをなるべく増やさないようにするための継続施策とも言えるなと思います。

ユーザー心理としても、「モンストを毎日遊ぶほどやり込んでないけど、お得な日だしせっかくだから今日はログインしておくか」という気持ちになって、ログイン行動に移っていると思います。


他にも、モンストは「毎日イベントクエストが切り替わって、それをTwitterで告知している」など、ゲーム内施策・外部施策合わせて物凄く工夫しているアプリだと思います。

ソシャゲの運営をしている方はぜひ、モンストを今一度遊び直して、その継続率を参考にしてみるのもいいんじゃないでしょうか。

では今回はこの辺で。

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