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がん検診について〜必要性や政府の取り組みも踏まえ〜

こんにちは。
札場(フダバ)と申します。

今回は、『がん検診』について解説していきます。

現在、わが国において『がん』は死亡原因の第1位であり、国民の2人に1人が“がん”になり、3人に1人が“がん”で亡くなっています。
しかし、診断と治療の進歩により、一部のがんでは早期発見、早期治療が可能となりつつあります。

本記事を通して、がん検診の理解を深めていければと思います。
それではどうぞ!



がん検診とは

がん検診とは、”がん”の症状がない人々において、存在が知られていない"がん”を見つけようとする医学的検査になります。

がんの治療は一般に早期がんであるほど治癒率が高く、治療後の生命予後やQOLも高くなることが期待されます。しかし、がんはある程度大きくなって周囲組織へ浸潤したり、骨などに転移したり、正常組織を圧迫するなどしないと症状を呈さないことが多く、自覚症状が出現して受診した時には既に治療困難な進行がんであることが少なくありません。

健康なうちに”がん検診”を受け、まだ症状のない早期癌を発見して治療に繋げるというのが、がん検診の基本概念となっています。


検診と健診の違いは

ここで、検診と健診の違いを確認しておきましょう。

●検診
ある特定の病気にかかっているかどうかを調べるために診察・検査を行うこと。

●健診
健康診断のことであり、健康かどうか・病気の危険因子があるか否かを確かめること。

簡単には上記の違いになります。
検診は、特定の病気を早期に発見して早期に治療する事を目的としています。「がん検診」が検診の代表例ですが、そのほかにも骨粗しょう症検診や肝炎ウイルス検診などもあります。


健診(健康診断)に関しては以下の記事でまとめていますので、ご興味のある方はご覧ください。


がん検診の受診者数

厚生労働省では、がん検診の受診率を50%以上とすることを目標に、がん検診を推進しています。 

現状は以下の受診率になっております。

出典:厚生労働省HP

日本のがん検診受診率は、男性においては、胃がん、肺がん、大腸がん検診の受診率は4〜5割程度であり、女性においては、乳がん、子宮頸がん検診を含めた5つのがん検診の受診率は3〜4割台となっています。



がん検診のメリット・デメリット

メリット

がん検診による最大のメリットは、早期発見によりがん死亡率が減少することです。個人に言い換えれば、がんの死亡リスクが減少するということになります。その他のメリットとしては、対象となるがんの(浸潤がん)罹患率の減少、QOLの改善、治療負荷の軽減などがあげられます。

一方、症状を感じて受診した場合には、がんが進行している可能性もあり、臓器によっては治すことができない場合が多くなります。


デメリット

デメリットとしては、「偽陰性」があります。これは、がんを見逃してしまう事です。
がんを100%発見できる検査法はないため、がん検診は1回の受診ではなく、推奨される方法で定期的に受けることが必要です。

また「偽陽性」という言葉も存在します。検診でがんの疑いがと判定されて精密検査を行っても、がんが発見されないことを指します。
要精密検査とされた場合でも、真にがんと判断される(陽性反応適中度)のは、胃がん検診では1.50%、最も可能性のある乳がん検診でも4.15%にすぎません。むしろ、多くの人々が「がんではなかった」という結果を受け取ることになります。その間、受診者の方に心理的負担がかかることもあります。


がん検診の種類

日本のがん検診は、市町村などの住民検診に代表される「対策型検診」と、人間ドックなどの「任意型検診」があります。

●対策型健診
対策型検診は、がん死亡率の減少を目的として、有効性が確立された検査方法で実施されます。公的な予防対策として行われる検診のため、費用は無料か少額の自己負担で済みます。市区町村のほか、職域・医療保険者等の保健事業として行っているケースもあります。

●任意型健診
医療機関などが任意で提供する医療サービスです。基本的には全額自己負担です。様々な検診方法があり、その中には有効性の確立していない検査方法が含まれる場合もありますが、自分の目的や好みに合わせて検診を選択できるという利点もあります。

以下は、内容をまとめた図になります。

出典:知っておきたいがん検診(日本医師会)

目的も概要にも違いがあります。市町村か、医療機関が任意で実施かにより、内容も変わってきます。


市町村のがん検診の種類

市町村のがん検診(対策型検診)について確認していきます。
厚生労働省では、がん検診の効果について、評価を行い、科学的根拠に基づいて効果があるがん検診をお勧めしています。がん検診が市町村の事業として行われるよう、指針を示しています。

がん検診の内容は以下になります。

出典:がん検診(厚生労働省)

上記の指定で定めるがん検診は、市町村の事業として行われる為、基本的に費用は無料です。


がん検診の流れ

がん検診は、胃や大腸、肺、乳房、子宮など、がんができる部分が異なればがんの特徴も変わってきます。がん検診では、それぞれのがんを調べるのに適した検査が用意されています。

一次検診、精密検査(二次検診)、がんの確定診断、治療という流れで進んでいきます。

もし、精密検査でがんと診断(確定診断)された場合は、必要に応じて治療へ進むことになります。

出典:がん検診について(がん情報サービス)



まとめ

今回は、『がん検診』についてまとめております。

がん検診を受診するメリットはとても多いです。
検診は自覚症状が無い時点で行われることから、がんが進行していない状態で発見することが出来ます。がんが不治の病と言われたのは昔の事であり、現在では早期発見、早期治療でがんはその多くが治ります。

対象の年齢になれば、定期的にがん検診を受診することをお勧めします。
少しでも皆さんの参考になれば幸いです。




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