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カスタマージャーニーマップの難しさ

土屋:カスタマージャーニーマップに関する質問をよく受けるんですよね。上部に書いてあるフェーズってどういうの書いたら良いですかとか。

三瓶:ああ、あそこを決めるのは結構難しいですよね。

土屋:そうそう。自由度が高いので、あれをフレームと呼んで良いのかっていうぐらい。自分のサービスについて考える場合、どんな要素がいるのかっていうのを都度考えなければならないし、それが思いつくまである程度試行錯誤するときもあって。

三瓶:ジャーニーマップって構造的には凄く良く出来てると思ってるんですよね。思考の抜け漏れを防いでくれるし。ですけど確かに、一番辛いのはどこのジャーニーを切り取るのかとか、どういう観点でのジャーニーなのか、などを決めるときですね。現状を表したものもあれば、理想の状態を描いてみる場合もあるし、切り取り方が無数にあるから、そこの感覚は何回かやってみないと分かりませんでしたね。

土屋:最初は分からないですね。分からないし、正解もないんだけど、人のジャーニーをとらえるという点では多少の得意・不得意がありそうですよね。

たとえばこのペルソナはまずは体感をしてみて、感情がわいてきてから思考するタイプだよね、とか、リアルな行動、思考、感情の順序に敏感に気付けるかどうかとか。一言でいえば共感力みたいなものなのかな…経験値とはまた別のところで問われる感覚があるような。

三瓶:たしかに。そういうのをマッピングするところにUXのヒントがありますよね。

土屋:そうそう。でも何かね、真面目な人ほどハマっちゃう。

三瓶:ああそうですね。何か、セオリーどおりだと出てこないところかもですね。本当にそうだろうか?と疑ってかからないといけないような。

土屋:「人間は思考から入るものですから」とか、「いや、多分ケースによるよね?」みたいな。頭の上に物落ちてきてるのに、これをどうしたら良いかとか頭で考える人間はいないわけだから、結構シチュエーションによって、ケースバイケースだと思うよ、とか言うと多分、茫然としちゃうんです。

三瓶:まあでもそうですよね。その行動や思考の順序が可視化された時に、このペルソナの人って実は考えるより前にこう行動するから、この段階でこういう事してあげたら良いよねとかっていうのがわかる。

土屋:そうですね。感情に訴えかけないと意味ないよね、とか。

三瓶:正にUX的な観点じゃないと気付けないというか。

土屋:出てこないよね。だからそういう要件は本当に、今まではデザイナーの感覚に頼ってた部分を、何とか皆で合意して進めようっていうもんだと思ってるんで。まあ逆に言うとそういう所を書かない、決めないならカスタマージャーニーってあんまり意味ないですよね。

三瓶:そう思います。だからこそ、何か埋めりゃ良いっていう感覚でやっていくと、失敗するときが出てきますよね。埋まるけど、で?ってなっちゃう。

土屋:そう。で、しかもレビューしてる人もそれは事実なんですか?とか言いだすと大変で。まとめたものに共感出来て、そこにこのチーム皆で賭けていこうと思えるかどうかみたいな観点で見てもらわないといけない。「それって論理的に証明出来るんですか?」とか言われてしまうと、進まなくなってしまうんだよね。

三瓶:ああ、そうですね。

土屋:だから結構難しいなって。

三瓶:実際、僕もこう語りながらいつも難しいんですけど、自分的には面白い発見がなかったら切り口変えてもう一回書いてみるか!くらいのノリがいいのかなって思うんですけど。

土屋:あ、そうですね。ほぼ私も同じ感覚。パッと見て何かあるか。

三瓶:書いてみても何の発見もないじゃんみたいな時って全然ありますよね。まあそうだよね、みたいな。

土屋:そうそう。知ってるそれみたいな。そんな課題あるよね、そんなソリューションあるよね、とか知っていることにたどり着いても、意味ないですね。

そこからそのまま作り出しても、多分成功しないサービスだなとか思っちゃうから。

三瓶:そうですねえ。何か現状を打破するためのワクワクの起点となって欲しいですよね。

👥 話していた人
土屋:フライング・ペンギンズ CCO / UXイノベーター
三瓶:フライング・ペンギンズ 新規事業担当 / コンテンツストラテジスト
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フライング・ペンギンズでは答えのない問いやとりとめのない対話を積極的にしていくことが、デザインの質を高めると考えています。今後も社内外問わず、UXデザインや開発にまつわる話をざっくばらんにしていきたいと考えていますので、ご一緒いただける方いましたら是非ご一報ください
🐧 Flying Penguins Inc.
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