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社会における価値と労働 ー労働時間と生産性の観点からー

社会における、我々が生活を維持していくために不可欠な、あるいはそうでなくとも人生を豊かにする「価値」と、それを生み出す「労働」との基本的な関係を、自分の頭の整理のために図式化してみた(あくまで大雑把に全体像を把握するためのもので、個別には考慮しきれていないところが多々残っている)。

ちなみにこの図で言う「生産性」とはもちろんいわゆる労働強化のことではなく、むしろ成熟した近代産業社会においては企業のビジネスモデルやワークフローのイノベーションや改革、政府の金融・財政・産業政策、法制度などに大きく依存するものである。
この図には「貨幣」が登場しないこともポイントである。いくら貨幣を発行しようが給与や補助金や年金を得ようが、それによって購入しうる「価値」が市場に適切に存在しなければ意味がない。そしてその価値を生み出すのは他ならぬ我々の「労働」である。
労働時間(より一般的には労働負荷)を現状以上に増やすのは本末転倒なので、鍵はやはり「生産性」であると言える。
当然のことだが念のために補足すると、上記の図で言うところのDさんやIさんに、「人間としての価値がない」と言っているのでは全く無い。あくまで、他者に「衣・食・住」などの生活に最低限必要なモノやサービスをて供することができない、といっているにすぎない。それ自体は良いことでも悪いことでもない。もちろん、より厳密に記述するなら、商品として取引されるもの以外にも重要な価値がある。存在していることそのものも価値である。

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