春から夏へ 魅惑のアント 尺イワナ誘引
#47|フライフィッシング/FlyFishing
2022年6月18日/新潟県上越地方
雪代が終り、水の流れが落ち着きを取り戻すころ、決まって結ぶ毛鉤がある。それはメイフライやカディスではなく、テレストリアルパターンだ。少々早い気がしないでもないが、足しげく通う越後のホームリバーではこの時期からアリや甲虫など、陸生昆虫を模したパターンがこと欠かせない。昨今、ビッグフライで引き出すイワナ釣りに傾倒してはいるものの、アントやビートル系もフライBOXの一画を占めるレギュラーパターンのひとつだ。
この日釣れた最大のイワナは31.5センチ。スレンダーながら、艶々の美しい魚体にしびれまくった。どの角度から切り取っても映えるプロポーション。いとおしげに見とれつつ、シャッターをついつい切り過ぎてしまった…反省。
このイワナを仕留めたのが#10のアントフライ。ワイドゲイプのフックにブラックのウールをたっぷり巻き付け、アントならでの腹部の丸み「くびれ」を誇張。シルエットを最大限に際立たせたシンプルなパターンが効いたよう。
アントフライを流れの落ち込み、白泡からダークグリーンの厚い流れに乗せると、写真左のグレーの大岩の奥でフライが消し込んだ。
大きなフライが尺越えイワナに吸い込まれる。その瞬間が見て取れるのだから興奮冷めやらず。刺激は強め。
緑に温かみが増し、駆け足で深みが増していく水無月の渓。陸生昆虫の姿も目立ちはじめ、魚の活性は日増しに右肩上がりに。季節の変わり目、自然の移ろいを肌で感じながら、テレストリアルの釣りに興じる至福の時であった。
FF.BUM(エフエフドットバム)
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Profile
1979年生まれ。2007年に新潟県上越地方に移住。自由と孤独を愛する西洋式毛鉤釣師(フライフィッシング)。いかにして豊かな人生を歩むか、模索の日々を邁進中。
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