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イギリス 中学受験を考えはじめた理由 其の3

Year 3の最後の学期は、ロックダウンでリモートスクールと呼ばれる状況。とはいえ、この時点でまだ、Google Classroom、リアルタイム授業など、所詮、公立学校、準備できているはずがありません。

授業の質問も先生に投げさせるという、学校のことは学校で完結させていたので、このロックダウンで、家庭に学校が入ってきたわけですが、それでも、学校の課題は、先生に添削させる丸投げ方式を取り続けました。丸投げとはいっても、課題を印刷し、終わったらスキャンして週二回提出、は私がやっていました。

夫も私もフルタイムで働いているし、私は客商売ですので、いつ、電話や会議に巻き込まれるかはわかりません。電話や会議に入っていないときには、集中して調査しないとなりませんので、子供の課題の中身までは見ていませんでした。時折質問されますが、当時は、学校の先生に質問できる体制が学校でも揃えていなかったため、そこは、こちらの都合の良いときに、解決する必要がでてきました。

しかし、4週間、添削結果は、メールで、

Excellent work!
Well done!
Great work!

だけ。さすがに、面談で先生に褒められているだけのことはあるな、と思っていました。先生たちも、このロックダウンで今後どうするか、準備でウルトラ忙しくなったのはわかるんですが、もう少し、建設的なアドバイスをくれないと、伸び悩むだろうな、とも思っていました。

クラスメイトの親御さんから、

「課題先生に提出していますか?課題、先生全然みていないよね?」

と言われ、ふと、見直してみると…。
算数の明らかな間違いは訂正されていないし、質問自体をよく読んでいない回答もちら、ほらありました。
英語も、私でもわかる文法の間違い、スペルミス…の指摘さえない。

他の親御さんは、「ロックダウンでも学校でせめて課題をきちんと見てくれないと、親は親の仕事があるんだから、困る。」と校長にメールを送っている人が結構いたようですが、

校長の返事も、「今は、できる限りのことをしています。添削をもう少しきちんとできる環境を作っているところです。」というような内容だったらしいです。仕方がありません。新しい状況に入ったばかり、準備もプランも、話し合いも、また、先生の新しいスキルの習熟とうとう、もう学校もしっちゃかめっちゃかなのでしょう。

というわけで、私は、英語は夫、算数は私が見るということになりました。


算数

算数は5分で終わる程度の問題です。主に復習ですので、特に読んで理解するものはなく、さくっと終わりますが、そこは、試験をこなしてきた日本人の私、ツッコミを入れてしまいます。

・見直しをすること
  ・問題文をきちんと読んで理解すること
  ・式を書くこと

5分で終わるものでも、これを入れると、8分にはなりますし、簡単な問題だから、間違ったらもったいない、という感覚を身に着けてほしいので、ある意味、そういうところでは役に立ちます。

8分じゃ、一日40分くらいは算数の授業受けているんでしょうから、と、子供の友人の親御さんから紹介してもらった、CGPという会社の算数の問題集をやらせることにしました。

実は、この時、私は初めて、イギリスでも、学業の問題集が売っている、ということを知りました…。夫は知っていたようです。というのも、本人も中学受験は問題集でやっただけ、とのこと。10年以上一緒に暮らしているのに、夫が私立に行っていたとは知りませんでした…。

購入した問題集は、

* KS2 Maths Targeted Question Book - Year 3

* KS2 Maths Targeted Question Book: Challenging Maths - Year 3 Stretch

Stretchの方は、本当によい問題で、子供もそのやりごたえのある問題に喜んで挑戦していました。
Stretchではないほうは、本人に割と苦手意識のあるものをやらせ、後は、時間つぶしにやっていただく、という状況。もちろん、わからない問題は、私が説明し、考え方を導きますが。

もともと、2歳のころから、ベネッセを使って、いろいろな遊び、学びを一緒にやっていたのと、補習校に本人の希望で行っていたので、家庭学習、親から学ぶ、という体制は、意図せずともできていたのは、幸いでした。無理やりやらせている感なく、

当然、親の自分の子に対する忍耐力なんてしれていますし、子供には忍耐力ないし、親には、感情を隠すこともしないので、お互い、いらだちを隠すこともできない場合は、多々あります。テレビや、ネットで見るような美しい図は、一ヶ月に1度くらいしかございません。

しかも、昭和の教育を受けた私。受験も、塾に頼らず自分の力で乗り越えて来ている私は、正直、厳しすぎる。自分でもわかっているけど、ついつい、ここまでできるなら、これくらい、と子供への期待値は、できるに連れて更に上るタイプです。手放しで褒めることは、おそらく、多めに見積もっても一学期に一度くらい。

イギリスでは、褒めて育てる、過程を褒める、おだててやらせる、が基本ですので、他人の前で、手放しで己の子供を褒めている図は日々見受けられます。このあたりの文化の違い、感覚の違いについては、また、後日、書いてみたいと思います。

英語

文法は、夫が子供の頃に比べ、かなりテクニカルなことを専門用語で習っているようで、夫はびっくりしていました。私らのような外国人は、文法を習うので、大したことではないのですが、それでも、私らが中高校生くらいで学ぶ文法を軽くこなしていくので、やはりネイティブって、そうなんだろうな、と思っていましたが、教育も科学的に分析され、よりよい方向で教えていくよう、変化しているんだな、とわかります。

夫は、文法をここまで深く学んだことがないらしく、「説明できないけど何かがおかしい」「こっちが自然」というと、子供は、自分が間違っていると思わないからですが、「なぜ?」と返します。そこで、私の出番になります。文法を習った強みです。ポイントをつくことは簡単にできるのです。ポイントさえ付けば、夫も理路整然と説明できます。

語彙についてですが、自然な使い方ではなくても、夫は、意味が通じるなら、指摘しませんでした。学校の先生も以前おっしゃっていたのですが、語彙は小学校では、理解語彙を増やすことを中心に、レベルが上がるにつれて、使用語彙にしていくように意欲をもたせることが大事らしいです。

理解語彙:読んで聞いてわかる語彙
使用語彙:文章や話にいれられる語彙

ただ、やはり、学校の課題が簡単すぎるので、問題集を買ってやらせることにしました。英語は、ぶっちぎりに褒められていたので、算数の問題集のとき具合から考え、

* KS2 English Targeted Question Book: Challenging Comprehension - Year 3 Stretch

* KS2 English Targeted Question Book: Challenging Grammar, Punctuation & Spelling - Year 3 Stretch

この上級の物がよいだろう、と購入してやらせてみました。

文法は、ほぼ完璧で、よくできていました。夫のほうが学んでいる感じでした。

が、読解は、悲惨な状況。
・質問の意図がわかっていない。
・書いている内容は読めるけど、そのように書いた理由、状況の推測ができない。
という、学校の先生のあのべた褒めからすると、おろどくべき状況でした。ただ、よく、内容を見ると、確かに骨のある問題です。また、読解問題を解く、ということ自体、やったことがあまりないらしことが判明しました。(読解より、本を読んでどれだけ理解しているか、という確認は毎週あります。)

また、日本の国語の問題と比べると、『答えが文章自体に見つけられない質問』が多いのです。日本の読解の問題は、小学3年生くらいまでは、書いてあることを聞きます。「抜き出す」が基本です。ところが、この上級の問題は、

・論理推測力がいる。
・自分の意見がいる。
・抜き出しではなく、書き換えて自分の言葉で説明する。

というものでした。確かに、読解問題に慣れていない子には、難しいのかも、と思い直し、読解問題は、

* KS2 English Targeted Question Book: Year 3 Comprehension - Book 1

* KS2 English Targeted Question Book: Year 3 Comprehension - Book 2

を使うことにしました。買ってみてびっくり、回答がついていません。
ただ、家庭学習のため、ということで、この出版社、当時は回答をウェブサイトに開放してくれていました。(問題は安いのですが、回答が結構なお値段します。ただ、読解問題の回答は、KS2のYear3-6まで全部含んでいることを考えれば、大したことはないのかもしれません)

習い事の一部は、オンラインになり、習い事の練習を日々取り入れることができ、子供の趣味の充実はかなりはかれたし、本人が好きな物語づくりにも、何時間でも好きなだけかけられるし、ホームスクールは本人とても気に入っていた模様でした。

私達、親も、多少の邪魔はされましたが、仕事に集中できる時間はできていたので、まずまずでした。

そんなこんなで、最初の学期の半分が終わり、1週間の中休みに突入しました。

其の4につづく…

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