バイリンガルになるか、するか。其の14

子供が、親から離れて社会生活を始める小学生になる前となった後で、日本語教育を変えずにいるのでは、やはり、子供の日本語能力は、相対的に下がります。(絶対的に下がる場合もあります)
下がっても良いのですが、楽しく維持もしくは、上げておいてあげても、問題はない上に、実は、今後やってくる、現地校の学業面、精神的にも役に立つと私は考えています。

5ー9歳くらいまでは、学校で現地小学校では、基本的に日常的なことから派生する内容を教えることが多いですので、日々の会話を学校で習ったこと、一歩上の日常生活の語彙、感情表現、学習言語力をカバーして行くことが、私の目標でした。

一歩上のレベルの生活に必要な会話を日本語でできるようにする

5歳くらいまでに、生活に最低限必要な会話を日本語にできていても、子供の社会生活(小学校)が始まると、どんどんできなくなっていく場合がよくあります。理由は、下記をご参照ください。

『一歩上』というと漠然としているのですが、今その子供ができていることの一段回上のレベルのチャレンジをあげます。例えば

1.語彙

もし、家庭会話が日本語で成立しないなら、成立させるようにする。
英単語を入れて答えるようなら、日本語に5割くらいは治して、もう一度言ってもらう。
家庭会話が日本語で成立しているなら、熟語に変える。
例 起きる時間 > 起床時間
  寝る時間 > 就寝時間

2.表現力

より、大人が使うような表現へ持っていきます。
例 ぷくぷくしている > ふくよか
  ご飯を食べる > 朝(昼夕間)食をとる

3.読み書き

この時期、手の骨が成長するときで、手を使う、ということが、脳の成長、精神の成長に大役をかっています。ですので、読み書きにも挑戦してもらう。これをすることで、間違いなく語彙を増やす基礎ができあがります。というのも、読んで理解できようになるからこそ、年齢にふさわしい知識の語彙が増えるし、現地語と日本語の組み合わせで覚えていけるからと思います。

年齢にふさわしい知識、語彙があることで、同じ年代の日本語を母国語とする子供たちと会話もできるようになりますし、その年代で興味をもったものを日本語で吸収してくれるので、学習のブースターとして、とても大事なことなのです。

感情表現を日本語でできるようにする

1.音読・読み聞かせ

音読をし、普段使わない表現を本から得ることで、家庭会話の域から超えることができるのです。読書で得た、新しい表現を親が使う、子供に定着させる。そして、子供が使えるようになるのです。

完璧にやることを目指すことはありません。あくまでも楽しめる範囲ですることが大事です。音読には、伴読みというのがあります。シャドーイングです。また、絵本の会話部分をつかって、私はこの役、あなたはこの役、で会話をまねっこしてもよいです。読み聞かせの時間を作る。時には、字を指で追いながら、時には、目をつぶってイメージさせながら。。。

2.習い事の補佐を日本の動画でする

習い事にも、スポーツや、楽器、芸術、学習に関することなど色々ありますが、今どき、Youtubeなどで動画で説明を簡潔にしてくれているものがたくさんあります。

子供の感性に合うような動画で、今習っていることを上手に説明していると思われるものを見つけて、時折見せて上げてる。すると、やはり、目から耳から入ってきて、体で体験するので、生きた言葉になりやすいです。

学習言語力に日本語を近づける

学習言語は、現地語となるので、何よりも大事にしてあげる必要はあります。が、そこに、日本語の場所を作ってもらいます。

学校で学んでる内容を、本人から聞いて、日本語で「それは、こういうことね」と同じような説明をする。また、できれば、ちょっとしたトリビアを時折提供する。

基本この時期からの子供は親に教えられるのが嬉しいことの一つになることが多いので、親が説明するよりは、教えてもらうという、一緒に調べるというのが、ベストの方法です。

まとめ

まだまだ幼いこの時期、いかに『「できない」から「できるようになった」体験を体感するか』が大事です。誰かと比較することなく、過去のその子と比較して、どれだけできるようになっているか、それを感じさせるのには、その子の動画をとっておくといいです。

うちでは、音読を毎年同じ時期にビデオでとっています

  • 補習校の小学部に入る前

  • 各学年の最初

  • 各学年2学期の終わり

これを毎年聞いて、振り返って、いかの上手になっているか、を振り返ることで、ちょっとずつでも続けていれば上手になるんだ、とわかり、この経験が、この先の様々な不得意なことに対する取り組み方の違いを生むのです。

誰でも最初は下手。恥ずかしくない。ボールを受け取るのが下手。でも、少しづつでも続けていれば、できるようになる。赤ちゃんの時から、体を動かすためにどれだけ毎日コツコツやってきたか。この成長を本人や親が感じるのは、なかなか難しいことです。だから、記録にとっておいて、毎年見直すと、自分で自分が誇らしくなるとともに、親にも褒められ、よりモチベーションがあがるんだな、と思います。

次は、バイリンガルだけではないですが、『褒めて育てる』、について書こうと思います。

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