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創造性の共有社会に向けた考察

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我々が次に共有すべき価値とは何かを、自分なりの考察として積み上げる。
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2015年4月の記事一覧

多様性を認めることの落とし穴

 ちょっと前まで日本あるいは世界は、「みんな一緒」という価値観だった。それが今ではすっかり「みんな違ってみんな良い」という価値観になってしまった。基本的には多様な価値観を認めるということには大賛成という立場だし、特にぼくのような者などは自分の奇異な価値観も認めて欲しいと思っている。しかし最近はそればかりが強調される社会を観察していると、どうも妙な違和感を覚えることが多くなった。それを掘り下げていく

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システムエトセトラ

 システムは人間の能力や創造性を開放する方向と、逆に人間の能力を下げてしまう方向の両方に働く。システムは人間が作った道具と言えるので、いわゆる「道具は使い方」ということなのだが、ことはそう単純ではない。もともとは何か便利になるために作った道具が、今度はそれがないとぼくらは何もできなくなってしまう。それは人間の能力を弱める方向にシステムや道具が作用していると言える。
 例えばハサミという小さな道具を

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まなざしの曇り

 目的のために手段を選ばないという考え方にある種の正しさや諦めを帯びていたのは20世紀の考え方である。世の陰謀や洗脳やその他人間の悪知恵のほとんどが暴かれ共有されつつある21世紀においては表面上の目的だけ達成出来ればそれで良しという態度はもう通用しないと思う。目的のために人を不当に傷つけたり、裏で調整と称した政治を働いて事実をねじ曲げるのであれば、そもそもその目的が汚れていたりすり替えられているこ

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