まなざしの曇り

 目的のために手段を選ばないという考え方にある種の正しさや諦めを帯びていたのは20世紀の考え方である。世の陰謀や洗脳やその他人間の悪知恵のほとんどが暴かれ共有されつつある21世紀においては表面上の目的だけ達成出来ればそれで良しという態度はもう通用しないと思う。目的のために人を不当に傷つけたり、裏で調整と称した政治を働いて事実をねじ曲げるのであれば、そもそもその目的が汚れていたりすり替えられていることを疑った方がいいかもしれない。結局は己が他人よりも有利な立場に立ちたい、利を得たい、評価されたいという欲望に囚われるあまり、心を磨いたり己が成長するチャンスを自ら絶っていることに気づけていないからだ。

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