パリ風のお花見 1

今日は、久しぶりに春物のワンピースを着た。

春の日差しが強くなり、18度を超えると、長い冬が終わるなと思う。

一緒に植物園の桜を見に行くのは、だいたい恒例になっている。

毎年見ていると、だんだん、今年は別にいいかな。という気持ちになることもあるけど。

それでも、仕事場のそばの桜が思いっきり咲いているのを通りすがりに見ると、私にも見せてあげたいと思うようで、夫から「明日にでも近くのサロン・ド・テでお昼を食べて、お昼休みデートをしよう。」と、誘ってくれる。

今年は、なんだかコロナ疲れもあり、行かなくてもいいかなと思っていたけれど、素晴らしいお天気だったので、行ってみることにする。

大きな大きな白い桜の樹が、まるで山のよううな形に広がっている。枝は下に下がっていて、地面についてしまっているところもある。その桜の大木が、全て真っ白な桜で覆われる。

その姿は、とても感動的で、毎年見に来る人が増えている。

近くに植えてあるピンクの桜は、まだ開花していない。

今日は、この白い桜を見ることがメインだ。

日差しは驚くほど強く、サングラスがないと目を開けていられないほどだ。そして、日差しもタンクトップでもいいほどに上がるが、日陰ではセーターにダウンをきている人もいるほどに冷え込むこともある。この季節の服装はとても難しい。コートを持ち歩くとかさばるし、かと言って、カーディガンだけで出ると、冷え込んでしまう。いわゆる花冷えというやつだ。

今日は、とても楽しい気持ちで待ち合わせをした。

一緒に腕を組んで歩くだけでも楽しい。

こういう気持ちでデートができる夫がいるとうのは、ありがたいことだなと思う。


まずは、いつものサロンドテに行き、夫はアニョーステーキ(子羊肉のステーキ)を食べた。私は、あまりお腹が空いていなかったので、最初からミルフィーユを頼む。食事とデザート両方食べるのは無理そうだし、かと言って、お菓子を食べないという選択はないな。という苦肉の策だ。ピスタチオクリームのミルフォイユを頼んだ。シェフの新作らしい。3段に重なったパイ生地の間には、緑色のピスタチオクリームがたっぷり挟まっている。その間に、オレンジの皮のコンフィらしきものがちりばめられ、赤いグリオット(さくらんぼ)ソースが少しだけ。少し、アニスの香りもする。そしてミントの葉も添えられていた。珍しい材料ばかりで、珍しく、美味しかった。私にはサクサクパイ生地とクリームで十分にお腹が満たされてしまい、これだけでも食べきれないほどだった。

お腹が満たされたので、太陽の光を浴びながら植物園に向かう。私にとってhとても混んでいると感じたけれど、まあ、公園は広いので、グループと離れて歩く工夫をすれば、静かに過ごせた。

夫は、植物にとても詳しい。南仏の自然の中で育ち、毎日木の上から山の夕暮れを見ていたような暮らしだったそうだ。山全てが庭のような大きな館で育った。だから、山の植物の名前は全て覚えているし、たくさんの果物がなると、家族総出で収穫してコンフィチュール作りをしたそうだ。

植物園を一人で訪れた時は、一つ一つの植物の名前や由来まで見る余裕はなかった。ただ、空間をざっと見て、咲いている花の全体像を見て、満足して帰るという感じだ。そういえば、今日は忘れていたけれど、出口の前にはモスケ(イスラム寺院)があり、ミントティーが美味しいレストラン、サロン・ド・テがある。以前はよく行っていた。最近はもっぱら、毎年ラルブル・ア・キャネルに通っている。

以前は、チョコレートケーキやクランブルなどケーキがメインで、昼食はキッシュとサラダだった。今日は、ステーキや、いろんな料理が増えていて、ボリュームたっぷりの昼食も食べられる。近所の人たちはきっと日替わりメニューを楽しみにしているのだろう。ケーキの種類も10種類くらいあった。一度行くと、美味しさと心地よさを思い出してまたすぐに行きたくなる。







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