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ドヤ顔先行のすすめ

 結婚式参列のため、美容室でヘアセットをしてもらった。

 美容師さんに要望を伝えると、「お任せください」とほほえんだ。とても良い言葉だ。プライドを感じるが、同時にお客さんを安心させようという優しさも感じる。憧れる気持ちはありつつ、まだ「お任せください」と言える域には達していない(仕事とか)。いつか言えるようになりたい。

 私は本当に不器用で、ムック本「世界一ていねい!ヘアスタイル1年生」ですら挫折した。最初に「おしゃれなヘアスタイルの心得」を教えてくれるのだが、「きっちりまとめるより崩した方がこなれ感が出てオシャレ」と書いてある。
 これが理解できなかった。ここが分からない時点で詰んだ。1年生にもなれなかった。

 という話を美容師さんにしてみた。
「まず、ヘアセットが出来るかは結局好きかどうかですね~。昔から好きで自分で研究していた人は、最初は下手でも好きだからやり続けて上手くなります。好きじゃなければ無理して自分で出来るようになる必要はないと思いますよ」
 会社に、今美容師さんがやってくれているようなアップスタイルを鏡も見ずに出来る先輩がいた。ネイルも手芸も得意だった。「得意」の前に、「好き」があるから得意になったのだろう。好きも才能。

 あえて崩しているのか、崩れちゃっているのか違いが分からないという悩みには。
「ルーズ感、無造作感っていうのは全身のトータルで決まるものだと思うんですよね。気合の入った服に無造作な髪を合わせていたら『こういうオシャレ』に見えるし、パジャマみたいなスウェットに無造作な髪を合わせていたら寝起きに見えるし。メイクとかも同じですね。取り敢えず本人が『これが私のオシャレです』のドヤ顔をしていればそれはオシャレということになります」
 なるほど。私は無造作ヘアに必要なドヤ顔を持ち合わせていない。乃木坂(個人の見解)みたいなさらさらストレートにしてくれた時は自然にドヤ顔になれた。

 セルフヘアセットにおけるドヤ顔は難しそうだが、文章はドヤ顔先行でやっていきたい。
 多分稚拙だと思う。文章もそうだが、言葉遣い、振る舞い、仕事、考え、みんな未熟だと思う。未熟だろうが「これが私です」のドヤ顔先行で生きていきたいし、書いていきたい。

 美容師さんの手によりしっかり髪をアップにされ、無事ドヤ顔で友達の結婚式に参列した。そして友達(新婦)が入場しただけで泣いた。美と幸せに溢れた素晴らしい結婚式だった。こんな美しい瞬間のためにも、人との繋がりを大事に生きて行きたいと思った。
 その2週間後にもう一つ友達の結婚式がある。10月の自分の結婚式の参考資料も増える。楽しみ。

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