副作用の備忘録と、『月の満ち欠け』読後メモ

月曜に入院して、抗がん剤(アブラキサン)を投与。火曜に白血球を増やすための注射(ジーラスタ)を打って退院。

火曜の夕方から副作用の痛みが出てくる。首の後ろが痛みのスタート。これまでの感じだと、明けて水曜が一番痛みがひどくなる日だが、アブラキサンの初回のような痛みは耐えられないと訴えて抗がん剤の量を減らしてもらっているのと、薬への慣れもあるのか、1回目の呻いてしまうような痛みまではいかない。

また、前回までと痛い場所が違う。これまではあちこちの関節が痛かったが、今回は筋肉が痛い。首・肩(僧帽筋)、腕(三角筋)、そして太もも(大腿四頭筋)がズキズキして、両手がビリビリしびれている。痛み止めを飲んでも、あまり痛みが減らないのが「なんだかなあ」だけど、がまんできる範囲。

あとは、胃と腸が働いていないのか、お腹が空かない。便秘になる。薬を飲むために食事はしている。水分と食物繊維を多めに取るようにしているが便秘は毎回悩まされる。

抗がん剤の点滴の針を刺した血管が固くなって右手を真っ直ぐ伸ばせないくらいになっているのが気になる。おとといは点滴の血管をとるのに、何度か差し直しをして時間を要した。採血は太ももの血管からした。

でも、こんなあれこれもあと1回だと思うと、気分も大分軽くなってくる。ケモブレインも解消されて、もっと頭が働くようになるかも?!

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今日は佐藤正午さんの『月の満ち欠け』を読了。構成がやっぱりすごい。そんな風につなげるのかあと思う。

ただ、読後感としては、直木賞を受賞した『月の満ち欠け』よりも、『鳩の撃退法』の方が直木賞にふさわしいんじゃないかと思った。迫力とか構成の妙みたいなものは、『鳩の撃退法』の方が優れているんじゃないかと。

『月の満ち欠け』受賞の際の直木賞の選評を見てみると委員の1人、林真理子さんのコメントにこんなものがあった。

「群を抜いていた。佐藤さんの作品の中では、必ずしも最良のものとは思えないが、構成の巧みさ、何よりも淡々と物語を運んでいく文章力はさすがであった。」(太字は引用者)

そうそう、そうだよなあと思う。
まあ、こういう賞というのは、きっと発売のタイミングやご縁のようなものがあるのだろう。

『月の満ち欠け』の解説は、おもしろいパターンで、伊坂幸太郎さんが依頼を受けてお断りをしたメールが掲載されている。理由としては、すでに『アンダーリポート』の解説で書きたいことを書いているからだという。

ただ、追伸として伊坂さんはこんな言葉を寄せている。

小説を読まずとも人は生きていけますし、それでいいと僕は思っているのですが、もし、誰かが、「一冊くらいは読みたい」「しかも、ただの暇つぶしではなく小説の面白さを知りたい」と言ってきたら、佐藤正午さんの作品を読んでほしいと思っています。難解さをまとうことで文学のふりをしたモドキよりも、真に文学的で、何より面白いのですから、「これだけ読んでればいいよ」といつも思います。僕にとってそう思わせてくれる作家は少なくて、いつもぱっと思いつくのは佐藤正午さん、あとは絲山秋子さん、でしょうか。

伊坂幸太郎さんの言葉だから(その作品に以前ハマっていたから)、この言葉はすんなり、そのまま受け取れる。ということで、絲山秋子さんの作品も読んでみようと、早速Amazonでポチっとしたのであった。



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