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"議事録作成は、自動化すべき無駄な作業なのか?"考えてみた

みなさん、こんにちは☻暑い時期は麦茶が手放せない、株式会社フロウカ代表取締役の児玉です。

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普段、コンサルタントとして各企業様とお仕事をさせて頂く中で、高頻度で耳にする「DX」や「効率化」というワード。人手不足や長時間労働の解消など様々な経営課題に向き合う中で避けては通れないキーワードです。

今日は、ツールによる自動化が検討されやすい「議事録の作成」について少々感じることがあり、Noteに書き記してみます。みなさんがどう考えられるか、よろしければコメント等で教えていただけますと嬉しいです。

コンサルタントとしての最初の通過儀礼:議事録作成業務

私は2社目でコンサルティング会社に転職しました。
最初の案件では、本当に役立たずでした(自白)。すぐ上の先輩に面倒を見ていただきすぎて一生足を向けて寝られないと今でも思っているくらいには…

たくさんのことを鍛えて頂きましたが、その中の一つが、議事録の作成でした。
会議前に「このフォーマットで議事録取っておいてね」と言われて会議に臨むも、思っていた以上に何もかけず自分でびっくりした記憶があります。

最初の会議を終えて、先輩から言われたことは
"理解していなくてもいいから、とにかく聞こえた音を全部打ってみて"
でした。

正直、「え、本当にそれでいいの?」と半信半疑な気持ちも湧きましたが、まずは素直に言われたことに取り組んでみました。
自分自身の勉強不足も重なって、しばらくは分からないワードがたくさん飛び交うので、会議直後はハチャメチャな議事録には変わりません。ほぼ逐語録状態。もはや昨今出ている自動議事録作成ツールよりもひどかったかもしれません(笑)
でも、不思議なことが起きます。当初脳内がぽわーっとしていたはずの会議内容に対して、徐々に"何がわからないかがわかる”という状態になってきました。

"ここはこう理解した"または"ここは理解できなかった"というのが明確になると、理解できなかった点を重点的に、先輩方へ確認するようになります。

そうすると、自分の中に不足していたピースがどんどん埋まる好循環が生まれます。3カ月、半年と時が経つにつれて内容がしっかりした議事録になっていきました。

今では、初めての案件であってもそれなりの内容が取れる状態になっているのは、コンサルタントの走り出しで"まずは聞こえた音を全て打つ”というトレーニングがあったからだったと思います。
(もちろん、議事録マシーンとして育ったわけではないので、議事録取りの他に、私自身が社会人として経験値を積んできたこと、コンサルタントとして新たな案件に入る際の初手に確認すべきポイントの精度も高まってきたことなど、いくつもの要素が初めてでも相応の議事録が書ける大きな助けにはなっています。)

正しく議事録をとることがゴール?

議事録を作成する目的には、会議内容を明確に残し、共有できる状態にすることが挙げられます。会議内容には、ディスカッションの内容、決定事項、継続検討しなければならない課題などを含みます。

基本的に複数のメンバーが関与して推進するプロジェクト形式の仕事において、議事録に記載する日本語は、正確なものでなければなりません。
ここでいう正確さは、誰が読んでも同じ理解ができるよう、一義的な日本語で記載すべきものという意味で述べています。読み手に判断を委ねてしまう記載、2つ以上の解釈ができる記載などはアウト。

でも、一義的な日本語で記載することって、自分自身の脳内で情報がクリアになっていないと記載できないんですよね。自分がホワホワした理解だと、同じくらいホワホワした言葉しか出てきません。
タイトルとあらすじだけ流し読みした映画が話題に挙がったときに、ふんわりした返答しかできなくなるのと似ています(そんなシチュエーションはほぼないと思いますが笑)。

ちょうど先日拝読した「コンサル脳を鍛える」という本の中で、著者の中村健太郎さんが以下のように説明されていました。

”言葉というのは、思考の基盤です。
私たちは、考えたことを言葉にするのではなく、言葉によって思考します"

コンサル脳を鍛える(中村健太郎著)より抜粋

"なるほど、そういうことだったのか"と。
日本語でコミュニケーションを図る環境下において、日本語を正確に選ぼうとすることは思考しないとできないし、思考ながら言葉を選ぼうとすると"この日本語でちゃんと伝わるのだろうか?"など更なる思考が生まれる状態を想起しました。

相手の話を正しく理解し、正しく伝わる文章で記載すること。簡単そうで、でも意外とムズカシイ。ちゃんとやろうとすると脳みそが絞られる感じ。

正しく議事録を取るという一見無駄そうな作業は、"誰にでもできそうな雑用を若手にやらせる"ということではなく、"考える力"をはじめとするコンサルタントとしての武器を搭載していくための基本体力を鍛えることにつながっていたのだと思います。

これからのビジネスパーソンは危うい?

とすると、効率化だの自動化だのと、明らかに便利そうな機能が魅力的なツールが溢れている昨今、そこに頼りきった社会人人生って大丈夫なのでしょうか?

私自身、DX推進を支援させて頂くこともありますし、個人的にはそういったツールの利便性も大きく感じることもあります。純粋に「こんなに精緻なメモが取れるなんてすごい!」と感動することも。

でも、議事録を正確に取ることが、社会人の基礎体力を鍛える機会になるとしたら、その基礎体力が備わってない人がツールに頼るのって大丈夫かな?と思うこともあります。
無論、議事録以外で同等の基礎体力を鍛えられる機会があるなら問題ないでしょう。それに、"これからのビジネスパーソンに求められるスキルってそういうものじゃないから!"と考える方もいらっしゃるかもしれません(それも一理あると思います)。

AIや便利なITツールがたくさんのことを助けてくれる時代だからこそ、人間同士でしか汲み取れない行間や相手の話に含まれる論理を正しく拾えることが、一周回って一つの武器になったりする日もくるのでしょうか?
なんて、妄想は広がりますが、結局未来のことはわかりませんね(笑)

ついつい横道にそれてしまいましたが、話を戻しましょう。
人の話を正確に聞き、理解するというビジネスパーソンが持っておくべき能力。コンサルタントに限らず、世の中の人間と関わる全てのお仕事においていえることだと考えます。

この能力を鍛えるための初手として、パッと見無駄な作業に見えるかもしれない"会議の議事録を正確に取る"ことは非常に有用な訓練だと感じた、という話でした。

余談:私のポンコツ議事録時代の小話
今振り返ると、議事録がポンコツだった原因の一つに、タイピングが非常に遅かったことが挙げられます。我ながらミスタッチが多かった記憶があり、その誤字を消すために「Backspace」を押したつもりが隣の「¥」を押していて余計な誤字を生んでいました(笑)
コンサルティングファーム時代の上司で、超高速タイピングなのに誤字脱字がほぼない人がいました。しかも超静音。ほぼ音がしないのです。"超かっこいい!"と思い、その日からその上司のようなタイピングができるように、キーボード上の指の置き方や動かし方を観察し、真似し始めました(たぶん上司はそれを知らない…笑)。
同時に、任せてもらう業務が増えていくと、必然的に作業速度を上げなければ追いつかないので、文字を打つスピードが上がらざるを得ず、という状況も生まれました。
お蔭で、いまではかなりの超高速でタイピングできるように。これも日々のメモ取りをはじめ、アウトプットするときなどのスピードアップに寄与しています。

これから先の時代、思ったことをパソコンが勝手に書きだしてくれるような技術も出てくるかもしれないし、そうなったらぜひとも頼りたい気持ちはあります(笑)。でも、まだそこまでは来ていないとしたら、タイピングを早くする訓練も、日々の忙しさを少しでも和らげる助けになるのかなとも思います。完全に余談でした(/・ω・)/

最後までお読みいただきありがとうございました☻
また次の記事でお会いしましょう♪

文中に触れた本のご紹介:コンサル脳を鍛える(中村健太郎著)
いわゆるスキルのノウハウ本とは少し違って、そのもう少し奥の方にある土台や基盤と言えるような部分について、とてもわかりやすく記載されていました。コンサルティング業界以外の方にもバッチリオススメな内容でした

Amazon公式サイトより

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