詩小説 『夏は夜』 #シロクマ文芸部【ズレが生じてる編】
※こちらは先週のお題となりますm(_ _)m
夏は夜が本番なのかな、とふと思う。
たとえば二歳頃
近所に住む母方の祖父母の家に
お泊まりした時のこと。
ゼブラカラーのアイスバーを食べ終え
ふと気づくと家のどこにも誰もいない。
もしかしたらアイスを渡された時に
「これ食べてお留守番しとくんやで」
と言われていたのかもしれないけれど
気持ちがアイスに向かっていたから
ろくに聞いてなかったんだろうな。
祖母はただ近くの田んぼの様子を
見に行っていただけらしいけれど
「私は捨てられたんだ!」
と言葉にできない分おいおい泣いて
結局母に迎えに来てもらった。
小学校中学年頃
サマーキャンプなるものに
参加した時のこと。
当時は大人に見えた
大学生のボランティアの
お姉さんやお兄さんと
キャンプファイヤーを楽しんだ。
今でも不思議な
TOTO便器の替え歌を知ったのは
たぶんこの時だ。
当時の私は人見知りで
初日は泣いていたらしいけれど
私が同じ班のお姉さんや友達の名前から
作ったオノマトペポエムを
オリジナルの冊子にしてくれた。
最終日にみんなの前で
読み上げられた時はびっくりしたけれど
きっと子どもの私達が寝た前日の夜に
大急ぎで作ってくれたのだと思う。
だからその詩集は
今もずっと宝箱に入れてある。
小学校高学年頃
友達とお泊まり会をするのが流行り
夜には我が家の庭で花火をした時のこと。
ちょうどカナブンがブンブンブブブン
飛び回っていたから
つい火のついた花火で追いかけた。
後日、なんだかゴワゴワするな
と思いながら着た服の中に
カナブンが紛れ込んでいたのは
あの日のカナブンの子孫の反逆だ。
まだ私は携帯を持っていなかった
高校生の頃
友達が紹介してくれた
男の子に夏祭りに誘われ
母には
「友達と行くから!」
と言って慌てて浴衣を引っ張り出して
着て行った時のこと。
紹介してくれた友達と一緒に
探し回ったものの人混みに紛れて
その日は会えなかったけれど
後日、家が近いからと
何かのプリントを届けに来てくれ
部活の試合があると聞いて
お礼に編んだミサンガを渡した。
でもなんでかな
恋が始まる前に終わっちゃった。
大学生の頃
サークルの先輩の提案で
心霊スポットに肝試しに行った時のこと。
多少のことでは動じないはずの私でも
直感的にヤバい雰囲気を感じて
早めに引き返してとお願いした。
社会人になった頃には
仕事帰りにレイトショーを観たり
一人で串カツ屋さんやステーキ屋で
限界に挑戦してみたり
夜のアフタヌーンティーを嗜んだり
お酒片手にライブに参戦したり……
大人になるとね、終電までなら
一人でいくらでも遊べるってことに
気づいちゃったんだよね。
そんな私だから
夏は夜の方が始まりに感じる。
だって両親ともに夏生まれだもん。
全ての始まりは夏の夜の仕業なんだよ。
お題は先週のものになります🙇ゆっくり執筆出来ず、毎回遅刻ですみません🙏💦
近日中に今週のお題も書けるといいなあ🥺
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