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「大丈夫じゃない」と素直に言える強さを持ちたい。

 突然ですが、「大丈夫?」と聞かれて素直に「大丈夫じゃない!」と答えられる人は、かなり少ないのではないでしょうか?

少なくとも私はそうです。

条件反射レベルで「大丈夫!」と答えてしまいます。(中には大丈だいじょばん!」と答えられる人もいて、その素直さがかっこいいな~と私は思っています。)

同じように「無理してない?」と言われて「無理してる」と答えられる人もまた少ないかと思います。

「無理してなきゃ、こんな世の中生きていけないよ!」と返されたこともあり「ぐぬぬ…それもそうだ。私はなんて安易な質問をしてしまったんだ…」と軽くへこんだことがあります。(たぶん今の私もその状態。)


 そんな私は「元気?」という言葉になんと答えたらいいものか、半日くらい悩みます…(持病のことをカミングアウトしてる人になら素直に「毎日ふるえてるけど、気持ちは元気だよ~!」「ふるえすぎてノイローゼになりそうだよ~😭」と素直に答えられるのですが…)

「深く考えすぎ!」という自覚はあるのですが、病気なのか、障害なのか、心身ともに安定しているとは言い難い私には、もはや元気の定義がわからなくなってます……


あぁ、日本語って難しい……


 どれも他人を思いやる優しい言葉なのに、素直に答えられず、どうして強がって我慢してしまうんでしょうか……それは私自身にとっても永遠の課題でもあります。

 どうしてこんなに我慢することが多くの人にとって当たり前のようになっているのかをふと考えた時に、子どもに関わる仕事を通して、いくつか気になったエピソードを思い出しました。


たくさんのお子さんと遊んでいると、おもちゃの取り合いなどで揉めることは日常茶飯事です。

おもちゃを取った子に対して

「お友達に『貸して』って伝えてから使おうね」

と声をかけると、「貸して」と言われた側の子が、本当は貸したくなくても

「いいよ」

と反射的に応える姿に、なんとなくモヤモヤしていました。(大人になったらわかると思いますが、貸す側はずっと貸す側のポジションになりやすいですからね……)

幼少期の時点からもう「貸して」と言われたら「いいよ」と答えるのが当たり前になってしまっているのか…と思うと「大丈夫?」→「大丈夫!」の原点にもなり得る問題だと、個人的に感じました。

そのため私は子どもの様子を見ながら

「まだ遊びたかったら『もうちょっと待って』って言っていいんだよ」

と伝えるようにしてました。(「貸して」というのはあくまでも相手側の希望であって、言われた側にも拒否する権利があると思うからです。)

すると実際に大半の子が

「もうちょっと待って」

と言います。

そのかわり

「先生のいう通りに『貸して』って言ったのに、貸してくれないじゃん!」

と納得できない子も、もちろんいます。


そういう場合は

「まだ〇〇ちゃんは遊び始めたばかりだから、時計の針が5のところまできたら代わろうね」
・「あと○回したら代わってもらおうか」
・「待ってる間にこれして遊ぼうか」
・「こうやって一緒に遊んでみたらどうかな?」


と、できる限りお互いが納得できるように心がけていました。(それでも年齢や発達的に難しい場合は、隙を見て順番を譲るよう声をかけたり、必殺技としてタイマーを使ったりすることもあります。)


 また子どもたち同士で喧嘩が起き、手を出した側に謝るよう促すと

「ごめんね」

に対して

「うん、いいよ」

とすぐさま応える子が多くて、これもこれでとてもモヤモヤしていました。(悪気なくぶつかったりして「ごめんね」と言って「(気にしないで)いいよ!」ならまだわかるのですが……)

だから、そういった時も

「本当に嫌だったなら『こういうことされたのがイヤだった!』『叩かれて痛かった!』『もうやらないで!』って言ってもいいんだよ」

と伝えると

「痛かったから、もうやらないで!」

とこれもほぼ大半の子が言います。だって、傷つけられたり、嫌な思いさせられりしたのは事実ですから

そもそも促されて謝る子は、自分のした行動で相手の子がどんな気持ちになっているのかにまず気づいていないことの方が多いです。

理由もわからないまま、“先生が言うから”
「ごめんね」と言っているだけ
なんです。


よくある仲直りの握手もぶっちゃけ意味がわかりません。(それって大人が勝手にこれで和解したと納得したいだけじゃない? としか……)


 子ども同士のいさかいを見ていた大人が「『ごめんね』って言ってるんだから『いいよ』って許してあげなよ」と仲裁しているのを見るだけでも私はゾッとします。

「ごめんね」だけで簡単に仲直りさせていたら、相手側がより付け上がる恐れもあるのに……(私なんて兄に意味もわからずミニ四駆を千円で買わされて、母に伝えて返してもらったけど、まだ謝ってもらってないわ……何なら「おまえチクんなや」って逆ギレされたわ……)

その場しのぎの対応ほど怖いものはない、とも感じました。

 だからこそ、嫌な思いをさせられた側は「いいよ」だけで済まさず、できるだけ嫌だった思いや理由をはっきりと伝えることが大事だと私は思っています。

謝った側も「こういうことをされてイヤだった!」と明確な理由を言われる経験を通して「こういうことをしたら相手に嫌がられるんだ……」と、ようやく気付いたことが表情から読み取れます。(大抵の子は言い返されるなんて思ってもいないから、驚いたり、ショックを受けたりしているのが端から見ててもわかるんです。)

ただひとつ注意点があるとすれば、泣いてる側が必ずしも被害者とは限らないため、喋れる子であればお互いの言い分をしっかり聞き取ることも大切です。(役者並みの早泣きできる子もいるのでね……)

 中には人が嫌がることをわかっていて、わざとやる子もいますが、そういう場合も同じように謝るように促した後、保育者間で情報共有し個別に様子を見て、場合によっては保護者にお伝えします


ただし、こういう子の場合は家庭環境に問題がある場合が多く(家では怒鳴られてばかりいるなど……)、必ずしも保護者に伝えるのが賢明ではないこともあるため、誰かに優しくしているところなど、その子のいい言動を見かけたらその都度、褒めるなどして自己肯定感を高められるように努めます。(虐待など体についたアザなどがあれば、もっと違った対応が出来ることもあるのですが……実際に通報を受けたご家庭のお子さんを注意深く見ていたことも何度かあります。)

言葉で責められている場合は、子ども自身が訴えない場合は見つけづらく「最近、荒れてますが、ご家庭で何か変化ありましたか?」と探りを入れることくらいしか出来ないのが本当にもどかしいところですね……

 またこれらは、ほぼ対等な子ども同士かつ仲裁に入れる大人がいるからこそ言えることであり、子どもでも大人でも、相手の立場によっては「いやだ!」「やめて!」と言ってそう簡単には聞き入れてもらえないことの方がずっと多いのが現状です。(先ほどの家庭内での問題もまさにそうです…だから嫌な思いをしても我慢するしかないんですよね。)

 それでも小さな頃から自分の思いを我慢せず、はっきりと伝えるように練習することで

「大丈夫?」

という思いやりの言葉に対して

「もう無理。助けて」

と素直に助けを求められるように


「ごめんね」

という謝罪の言葉に対して

「もうやらないでよね!」

素直な感情をぶつけられるようになってほしいし、私もそうなりたいと思っています。


時には我慢強さも必要だけど

心身に負荷がかかるような我慢が美徳な時代はもう終わりにして

少しずつお互いの弱みを見せ合い、助け合える社会になってほしい

と心から思っています。


 だから私は、弱音を吐けることや、自分から助けを求められることは、その人の強みだと思っています。(勇気を出して、虐待について訴えていた子もいましたよね。その後のことを思うと胸が痛くなりますが……とても勇敢なお子さんだったと思います。)

何に困っているかわからないと、いくら周りの人が助けたいと思っても助けられないから……

いくらそう言われても、弱音を吐かずに耐えることで自我を保っている人の気持ちも痛いほどわかります。

私もそうだから……無理しなきゃ生きていけないことが、この世には山ほどありますもんね…


身近に弱音を吐き出せる相手がいない方は

生きづらびっと
もやったー

といったサイトを利用してみるのもひとつの手段です。(なかなか繋がらなかったり、リアルタイムで返ってこなかったりもするんですけどね……)

匿名でも偽名でもいい、自分から大丈夫じゃないことを伝えることで救いの手を差しのべられることもあるはずだから


\大丈夫なわけあるか!バッキャロー!/


と一緒に叫んで、一緒に泣いて、一緒に悩んで、一緒に解決して、一緒に笑い合える日が来ることを願ってます。


今日を一日乗り越えられたなら、それだけで生き延びた自己最高記録なんですよ!

今日は一日何にもできなかったな……なんて思いながらでも、毎日が皆勤賞なんです。

それって十分、すごくないですか?


 苦しみながら生きていくのは誰だって
つらいから……

「大丈夫じゃない」と言う勇気を身に付け、「助けて」という言葉をしっかり受け止めて対応できるように私もまだまだ訓練中です。

ま、何事も無理せずぼちぼちですね👣


素直になりたい一休さんより

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