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詩小説 『ラムネの音と』 #シロクマ文芸部

 ラムネの音が 涼しげに
 シュワ シュワ シュワワン
 泡飛ばす

 カタタン コトトン カタコットン
 屋根打つ雨に聞いてみる

 ねえねえ
 風鈴吊っていいかしら?

 まだまだ明けない梅雨空は
 今日もやっぱりあまのじゃく

 止んでは降って パタ ポトト
 しずくを窓に打ちつける


 仕方がないかと諦めて
 てるてる坊主に問いかける


 てるてる坊主 てる坊主
 そろそろ譲って その場所を


 ふむふむ むふふ ふむふふふ
 お別れするのが寂しいか


 わかった
 これならどうかしら?

 私はいそいそ 風鈴を
 てるてる坊主の横に吊りかけた

 ほぉら
 これなら寂しくないでしょう?

 音なりのお隣さん

 優しくしてあげてちょうだいね

 シュルシュル シュルル と炭酸が
 少し抜けたくらいがちょうどいい
 
 きっと てるてる坊主も 風鈴も
 同じ思いじゃないかしら?


 去年書いたこちらの作品ともしかしたらリンクしているかも🦆??


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