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#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部のお題で書いた詩や小説をまとめています。
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#短編小説

駄洒落小説 『咳をしても金魚』 #シロクマ文芸部

「咳をしても金魚」 という言葉を小学生の僕に教えてくれたのはじーちゃんだ。 日曜日の昼下…

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1年前
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詩小説 『そのまんまでいいんだよ』 #シロクマ文芸部

 読む時間  それはきっと空気を読む時間。  そう思いながら  私はこの広くて狭い世界を生…

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9か月前
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選択制小説 『だから私は秋が好き』 #シロクマ文芸部

 秋が好き。だって新米の季節だから。 そして、白米は毎日食べても飽きないほど、日常に欠か…

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9か月前
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四分小説 『ヒマワリ、訳あり、ここにおり』 #シロクマ文芸部

「『ヒマワリへ』か……」  常連客しか来ないモーニングの時間に私は新聞紙を広げる。 今や…

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10か月前
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駄洒落小説 『街クジラ』 #シロクマ文芸部

 街クジラが溢した涙で、干上がりそうになっていた海が潤ったというニュースを、お調子者の街…

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1年前
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短編小説 『海砂糖』 #シロクマ文芸部

「海砂糖の紅茶専門店を見つけたんだけど、今度行ってみない?」 そう話しかけてくれたのは同…

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短編小説 『銀河売り』 #シロクマ文芸部【A面】

『銀河売り』というスーパーの、のぼり旗が風に乗ってパタパタと翻る。 「お母さん、あれなんて書いてあるの?」 「ぎんがうりって書いてあるのよ」 「ぎんがうりってなあに?」 買い物カートを押す母親の側を歩く女の子が訊ねると 「そうね……少し早いけど、買って帰ろうかしら。その方がわかりやすいものね」 少し思案してから一人納得した様子で呟く。 大きな玉をいくつか軽く叩き 「これが一番良さそうね」 とカゴに入れる。 「なんで叩くの?」 「いい音がすると食べ頃なのよ」 「

短編小説 『ガラスの手』 #シロクマ文芸部

「ガラスの手みたいだね」 と、よく言われる。それは血管が透けて見えるほど私の手の皮膚が薄…

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