とんでも8分恋愛小説 『今はまだ儚い春の夢』 #シロクマ文芸部
春の夢というものは
いつだって実感が伴わない。
散りゆく桜が
必ずしも掴めるとは
限らないように。
合コンじゃなくとも、男女混合の飲み会ともなれば自ずと話題は恋バナになる。それも披露宴後の二次会ともなれば尚のこと。
退屈そうではないけれど、進んで新郎新婦のクイズゲームに加わるわけでもない彼女に話を振ったのは、なんとなく他の子達とは違う雰囲気をまとっていたからだ。
「潮見さんはどんな人がタイプなの?」
「私?うーん、そうだなあ……あくびの移る人かな?」
俺の思った通