パフォーマンスアップの仕組みを飛び込みで解説
競泳は「速く泳ぐこと」を目的としますが、速くなるためにはどのような要素が必要なのでしょうか?今回は飛び込みを例にして解説していきます。
1)パフォーマンスピラミッド
私は以下の4層で構成しています。下から順に、
「体組成」「機能」「体力」「技術」
ざっくり言い換えると、デカくて・柔らかくて・強くて・上手い人、さらにピラミッドの形が整っている人ほど良いパフォーマンスです。下の土台が小さいのに体力や技術ばかりを高めようとしても頭打ちになりやすく、怪我のリスクも上がります。
2)飛び込みに必要なのは?
・体組成 重要度C
「慣性の法則」との関係性が高いです。体重が多い人はリアクションタイムは遅くなりやすいですが、入水後の水中は伸びがありスピードが落ちにくい。体脂肪率が低いほどそう言えます。
・機能 重要度B
太ももの裏側が硬い人は構えの際に上半身を倒しづらくなります。また、肩周辺が硬い方は腕を回したりストリームラインを作ったりしにくいです。
・体力 重要度A
特に「力の立ち上がり速度」「ジャンプ力」に必要な「瞬発力」が重要です。
・技術 重要度A
高さや方向やタイミングを調節してフォームを作る。カラダが小さくて・硬くて・弱いとフォームに限りがありますが、言い換えれば限られたフォームに集中することができます。できる範囲でフォームを作り、安定させたほうがレースで有効です。
3)それぞれのトレーニング方法
筋肉量を増やしたり瞬発力を高めたりするには、飛び込みそのものよりも「筋力トレーニング」が効果的です。「軽めの負荷でフォームを安定させる時期」「中程度の負荷で筋肉量や筋力を高める時期」「高強度でパワー(主にスピード)を高める時期」などに分けて行います。
機能を高めるにはストレッチやファンクショナルトレーニングが効果的です。ストレッチポールやTRXなどがおすすめです。ドライランドトレーニングの多くと重複すると思います。
技術を高めるには、実際に飛び込み動作を繰り返すのが効果的ですが、いきなり完成形を目指すのではなく、いくつかのパートに分け、具体的な目標を決めて取り組むと良いです。
4)レッスンでは何を行っているか?
技術の練習です。土台となる体組成・機能・体力の3つは短時間で劇的に変化するものではありません(中にはホップジャンプのようにアキレス腱の剛性を高める意識をもたせて、瞬発力を高めるものもあります)。
飛び込みの技術練習は「倒れる」「起こす」「跳ぶ」の3つのパートに分けており、それぞれの局面で「どこを意識するか」「具体的に目線をどこからどこに移すか」などをアドバイスします。例えば「スネと前腕の向きを揃えてから跳ぶ」↓写真参照
前述した通り、重要なのは「できる範囲内でフォームを作り、安定させる」ことです。4回やって1回成功するフォームよりも、3回安定しているフォームの方がレースで良い結果が出やすいです。
5)まとめ
今回は飛び込みを例にしましたが、各泳法においては必要とされる構成要素の割合が少しずつ異なると思います。
クロールは4つの構成要素に個人差が大きくても、ある程度タイムが出やすい印象です(選択肢が多く自由度が高い)。平泳ぎのキックは膝と足首の先天的な機能の影響が強いと思います。バタフライは肩関節周辺の機能が重要。
いずれのトレーニングや練習も、具体的な期間と目標を決めて行ってみてください。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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