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痛みとコンディショニング①

器質的な損傷
先ず「器質的な損傷があるか」を確認します。器質的とは、関節周辺の組織(筋肉・腱・靭帯・関節包・軟骨・関節唇など)が実際に傷んで炎症等を起こしているかを意味します。スイマーなら上腕二頭筋の腱炎や肩峰下滑液包の炎症などが代表的で、関節唇の損傷であるスラップまでになるとかなり重症だと思います。整形外科でレントゲンやMRIで診断してもらい、基本的には安静。炎症を抑える薬の処方や場合によっては外科的手術を医師と相談。

画像に映らない痛み
次に、器質的な問題がないけど痛む場合は、できる範囲で運動を導入していきます。ここでよくあるのは「運動すると痛みが減少するが、運動後に痛む」「一定の方向や力の入れ方で痛む」などです。この状態のままでは運動の頻度や量を増やしていくといつか器質的な損傷に繋がるでしょう。ちなみに痛みに繋がりやすい因子の順は、量>頻度>強度です。

痛みの原因の分類
痛みの原因をたどっていくと、次の3つの分類されると思います。
 ①量的ストレス
量的ストレスとはオーバーユースのように一部分を繰り返し使用し過ぎて損傷するケースです。スイマーにとって肩はオーバーユースしやすいですね。筋力トレーニングによって筋肉・腱を強くしてストレス耐性を向上することは可能です。
 ②関節リズムの破綻
例えば、関節の水平外転は30度ぐらいが限界です。それ以上は上腕二頭筋の腱に大きなストレスがかかります。バタフライの女子選手でリカバリーの腕が高く上がっているケースを散見しますが諸刃の剣のような気もします。

バタフライの高いリカバリー動作

腕を回す動作は腕の付け根だけでなく土台となる肩甲骨と一緒に動く(肩甲上腕リズム)ので、このリズムをリセットする必要があります。マエケン体操のように肘の軌道を意識すると肩甲骨に付着する筋肉が活性されやすいです。
 ③脳神経レベルの偏り
今回はこれを一番に伝えたいです。脳は左右に分かれていますが、左脳は理論的な思考を司り、右半身の身体活動を制御しています。家庭や仕事などで大量のタスクに追われた場合、左脳には大きなストレスがかかり、右半身に症状が出やすいです。右の肩甲挙筋や菱形筋が拘縮すれば肩甲上腕リズムを崩し、右の腹筋群が拘縮すれば腰痛を引き起こします。精神的ストレスは体を歪ませる十分な原因となります。

炎症を修復するメカニズム
痛みや炎症を起こした右半身を修復しようと命令を出すのは右脳です。すなわち右脳を活性する(痛みのない左半身を使用してできる範囲で動く)ことが対策となります。あと就寝中に最も炎症を修復している時間帯は4:00~6:00ぐらいの明け方です。あまり早起きしすぎないのも大切です。私は長男が1〜2歳の頃いつも5:00ぐらいに起こされていたので辛かったです。

次回は
今回は全体的なメカニズムの説明になってしまいましたが、次回は実際に私がやってみて効果的だった痛み対策をご紹介します。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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