A6

とある会社員。持ち運びのしやすいA6サイズ。退勤とともにアップロードする裏の日報です。…

A6

とある会社員。持ち運びのしやすいA6サイズ。退勤とともにアップロードする裏の日報です。たまに号外もあり。

最近の記事

何も変わらないでほしい

有名人の訃報が続いている。その度にパートナーと「最近なんだか多いね」と言い合っているが、とみに増えたというのは多分間違いで、実際は断続的に訃報が続いているんだと思う。 よく見知った人が亡くなるということはそれなりにショックで、日常のふとした時にそういえばもうあの人いないんだっけ、と思い出してはガーンとなっている。メディアの力はすごい。赤の他人を、こんなにも身近な存在にするんだから。 何かがなくなることが、いつまで経っても怖い。 誰かが死亡する、じゃなくても、引退するでも、お

    • 日報 11月8日(火)「日々のまにま」

      序 目を覚ましているとき、ほとんどの時間、思考を巡らせている。 これから手をつけんとする家事の順番、考えてもしょうがない過去の後悔、さっきまで会っていた友達のこと。泡のように涌いた思考は、頭や、胸や、心のあわいを漂うけれど、やがて蒸散するようになくなっていく。 日常の些細な考え事は、時間を経るごとに、文章に仕立て上げることがどんどん難しくなる。そこで今回は、短いテキストを寄せ集め、なんとか一塊の記事にしてみることにした。 1 旅と朝食 旅先で食べる朝食が好きだ。ある時は、そ

      • 日報 10月25日(月)「0か100か」

        「A6さんって、0か100かの人ですよね」 昔の勤め先で、同僚からそういわれたことがある。無論、褒められているわけではない。仕事で完璧主義になりすぎるな、と釘を刺されたのだ。 その指摘から数年が経った今、何事も7割くらいの熱量で取り組むことを心がけている。 初めはしっくりこなかったが、結婚を機に、ようやくこのスタンスの必要性が分かってきた。仕事に100%で取り組むと、代償として暮らしに歪みが生じてくる。パートナーと共同生活を営むうち、自身のためだけに使える時間もどんどん減っ

        • 日報 10月11日(火)「どうにも好きなもの」

          柿が好きなので、出回り始めの今時分は毎年楽しみにしている。 パキパキと固い柿、ゼリー状に熟した柿、どちらもたまらない。少し手間をかけて、白和えにしても美味しく頂ける。酒を嗜むようになってからは、干し柿も好むようになった。いわばドライフルーツなので、割とどんな酒にも合う。 しかし、柿を積極的に食べているという人にほどんど会ったことがない。むしろ嫌いだという意見のほうが圧倒的に多い。 私のパートナーも進んでは口にしない。新鮮なものは触感が生のニンジンのようで味気なく、熟れたものは

        何も変わらないでほしい

        • 日報 11月8日(火)「日々のまにま」

        • 日報 10月25日(月)「0か100か」

        • 日報 10月11日(火)「どうにも好きなもの」

          日報 10月4日(火)「運動会の朝」

          「運動会の朝の匂いがしたら、10月が来たって感じがする」 10月生まれの友人が放ったこの一言を、四季の変わり目に必ず思い出してしまう。 朝の冷たく湿った空気。少し浮足立った心地。俵型のおむすびを重箱に詰める母親の姿。 詳細を話したわけではないが、恐らく私とその友人とは、同じくそんな場面を回想したに違いない。 年を取ると、毎日がとても速く過ぎていくと誰もが言う。周囲の環境や生活に慣れた大人は、新鮮な驚きを得ることが少ない。平坦な日々を過ごすうち、体感時間がどんどん短くなるらし

          日報 10月4日(火)「運動会の朝」

          日報号外「名も知らぬ花火」

          今夜は小雨が降っていた。 日課としている散歩は取りやめ、デスクワークで凝り固まったからだをストレッチしようと、北向きの和室へ籠る。 リビングには夫がいて、夕食を食べた後はそこから動かず寛いでいるから、心置きなく一人ぼっちを楽しむ。一人住まいの長かった私は、孤独な時間の確保が必要なのだ。 開脚姿勢で腿を伸ばしていると、反対の方角からどん、という音が聞こえた。扉越しにもはっきりと届くそれは、まるで大きな鼓動のようだ。 鼓動が二、三度響いたところでどうにも気になり、扉を開ける。音

          日報号外「名も知らぬ花火」

          日報 9月21日(水)「海をひと掻き」

          何事も継続するのが難しい私が、誰からも強制されず、1年間日記を書き続けられたことがありました。今回から日報にタイトルを掲げたのは、その日記の形式を踏襲したためです。 当時は特に意識していませんでしたが、題名をつけることで、その一日が少し特別になるような気がします。 昨日は珍しく、会社の同僚と昼食をとりました。 私よりもいくつか年下で、話し方や所作のすべてに、風を纏っているような軽やかさを持つ人です。 互いの近況を話すうち、彼がこれまで興味を抱かなかった本や映画、アートなど、

          日報 9月21日(水)「海をひと掻き」

          日報 9月20日(火)

          台風とともに3連休が過ぎ去り、今日からまた仕事が始まりました。 休暇中はほとんど外出できず、本を貪り読む毎日でしたから、仕事のある規則正しい日々が恋しかったです。 今の職場に勤めはじめる前、一切労働をしなかった時期が2か月と少しありました。 前の勤め先はずいぶん後味悪く退職してしまったので、どうせならと長く暇をいただくことにしたのです。 この機会に、やりたいことは全部やろう。行きたかったところにも行ってみよう。失職したばかりの頃はそう考えていました。 ところが、一週間もしな

          日報 9月20日(火)

          日報 9月13日(火)

          お疲れ様です。 会社の退勤時刻に合わせて、裏日報を提出します。 今日は会社で、社内資料用の自己紹介文を作りました。 よそゆきの自分を見せたいのか、 そもそも自分のことがよくわかっていないのか、 この手の紹介文を書くときは、時間をかけて考えなくてはいけません。 noteの初投稿記事、 自己紹介やこれから記したいことを書くのがおすすめだそうですが、 今とても困った顔でキーボードを叩いています。 素性のわからない書き手の、目的の見えない初投稿でした。 気が済むまで、続けていこ

          日報 9月13日(火)