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ふるさと納税の形が少しずつ変わり始めている…かも?

こんにちは!FLNの公共チーム、中西です。

僕の大好きなカレー屋さん(銀座にある某有名店)に久しぶりに行ってきました。お店の入っているビルのトラブルによりここ3ヶ月ほど休業されていたこともあり、半年振りの訪問。感動の再会って感じでひとりかみしめてカレーをいただきました。

ふるさと納税はお得に品物をもらう…だけじゃない!

さて、今回はいつもの事例や弊社の取り組みの紹介とは趣向を変えて、中西が個人的に気になっていることをコラム形式にまとめてお届けしたいと思います。

最近よく「県内で初めて○○を提供開始!」「新たなふるさと納税のサービスが登場!」といったリリースを見かけます。ふるさと納税も制度開始から10年以上が経ち、成熟期に入ってきたかなと思っていたところで「初めて」「新たな形の」サービスや返礼品が生まれていることに不思議な気持ちでいます。

よくよく見てみると、どうやら現地で寄付をしたりその場で返礼品として品やサービスを受け取ったり、といったものが増えている様子。これってどのような仕組みなのか、またどんなことができるのか、個人的に調べてみました!



源流は「ふるさとチョイス」の「チョイスPay」

ふるさと納税の寄付を現地での決済手段に置き換える仕組みとして早くから一般に広く認知されたのは「ふるさとチョイス(株式会社トラストバンク)」が提供している「チョイスPay(旧:電子感謝券)」です。

「チョイスPay」は寄付することで返礼品相当分のポイントが付与され、そのポイントを現地のお店や施設でお金の代わりとして使用できる、という仕組みです。加盟店舗のみ、かつ通常のお支払いと「チョイスPay」の利用とを明確に切り分けることができるため、独自の品やパッケージでの提供が可能になります。

返礼品として提供できる品を持たない、サービス提供を主とする事業者でもふるさと納税事業に参加できるため、「チョイスPay」でジャンルを問わず幅広いまちの魅力を提供することができる仕組みとして、サービスを開始した2018年から導入自治体や提供事業者を増やしてきました。

「チョイスPay」 利用の流れ


寄付してその場で返礼品と引き換え!現地決済型のふるさと納税が登場

「チョイスPay」は事前にアプリの登録が必要で、寄付をしてポイントを受け取ってから現地へ行って使う、という流れが主でした。この流れを大きく変えるかもしれないと思っているのが店舗で直接寄付してお店でのサービスや決済に活用できる「店舗型ふるさと納税®」という仕組みです。

サイト上で返礼品としてその店舗の品や利用料などを選択して寄付を行い、店舗スタッフがその引換券を確認することでサービスの利用を行うことができます。レジャー、宿泊、道の駅など、現地体験が可能な幅広い業種での導入が可能です。寄付を通じてお店と利用者の交流を作り、店舗やそのまちのファンになるようなきっかけを生み出す仕組みとして導入が増えています。

「店舗型ふるさと納税®」 利用の流れ

<参考>
「店舗型ふるさと納税®」を提供する「ふるさとズ」の関連リリース一覧


自動販売機型ふるさと納税でもっと手軽に寄附申込、サービスを返礼品に

一方で、引換券をその場で手に入れることができる仕組みとして、自動販売機で寄付の申し込みができちゃう仕組みも登場しました。寄附の金額と返礼品を選んだ後に名前や住所などを登録し、現金かクレジットカードで寄附でき、さらに返礼品をその場で持ち帰ることができます。

この仕組みのすごいところは「スマホやPCがいらない」ということ。これまでのふるさと納税の主流はインターネット上のポータルサイトからの寄附だったことに対して、その場で情報を入力するだけで寄付の申込から返礼品・サービスの受け取りまでが完了します。

自動販売機型ふるさと納税 寄附の流れ

<参考>
「ふるさと納税自動販売機」を提供するグローキーアップ(株)の紹介記事


次なるふるさと納税ユーザーは「そのまちに遊びに来る人」?

ここまでの寄付の仕組みや返礼品を見てきて、お気づきかと思いますが、寄付や提供がその当地で行われることがポイントになっています。これまでのふるさと納税とはまた違った選択肢が出てきたなという印象です。

2年ほど前の内閣府の調査研究で、ふるさと納税市場は最大2兆円規模まで成長できると発表されました。ですが2021年度の寄付総額は約8,300億円(総務省発表 2022年7月)と2分の1以下にとどまっています。今後まだまだ伸びしろがあるんじゃないかと思われる一方で、どうやってまだふるさと納税をしたことがない人たちにアプローチするかは懸案事項として多くの自治体で共有されていました。

これまでのふるさと納税は、インターネットが得意な情報感度が高い方がメインターゲットになっていました。ですが、今回紹介したような仕組みによって遊びに行った先で申し込みを勧められたり、申し込みが簡単にできるように誘導されることで、これまでふるさと納税の経験がない方に
「せっかくだし始めてみようかな」
というきっかけを与えることが期待されます。

観光に訪れている旅行者は、滞在している間その地域と繋がっています。「お土産を買うならふるさと納税でこのまちに寄付を」
「もう一度来たいから宿泊利用券をふるさと納税で」
「その地の食を寄付でもらえる食事券で」
など、そのまちでできること・楽しめるものをふるさと納税を通すことで、まちごと応援できる仕組みが今後ますます広がっていくのかもしれません。

ふるさと納税は「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」(出典:「ふるさと納税研究会」報告書)という問題提起がきっかけとなって生まれた制度です。ですが、少しずつその役割は変質しており、これから自治体が直面する人口減・税収減などのカウンターとしてふるさと納税によるシティプロモーション・関係人口の獲得が期待されています。

個人的にも、少しでも多くの方にふるさと納税を知ってもらい、地域の魅力を知るきっかけとして使ってもらえればいいなあと思っています。



あとがき

初めてコラム形式でのお届けでしたが、いかがでしたでしょうか。これからもちょこちょここんな感じで、気になったトピックスをピックアップして(中西のきわめて個人的な)私見と一緒にお届けしてみようかなと思っています。

もしこんな話について聞いてみたい!こんな話も面白いよ!などありましたら是非コメント欄でお寄せください。できる限り頑張って書いてみたいなと思います。

それでは、また次の機会にお会いしましょう!

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