宙スタ#1 トヨタに追いつくために考えるべきは、、、?

スタートアップガレージでも小展示を行っているトヨタの月面探査車『ルナクルーザー』開発プロジェクト。
静岡県裾野市の工場跡地で建設中の実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の方が何かと話題になっていますが、ルナクルーザーとウーブン・シティの取り組みはモビリティカンパニーとしてのトヨタの将来ビジョンの実現のための文字通り新たな道と乗り物になっています。

・キーワードは自由
過去5~10年ほどで世界でもっとも成長を遂げた街の一つとして有名な中国深セン。
その特徴の一つがお国柄も反映した自由さでしょう。
最新のモノづくり案件をかき集め、優秀な人材と仕掛け人が、野心的な無数のプロダクトを生み出す街。
とくにテック面では法規制がゆるいこともあり、ありとあらゆる試作が可能な空間となっています。
先進国では通常「安全」と場合によってはそれ以上に「安心」が優先され、見えない規制や
やっていいって書いてあること以外やっちゃダメな世界に陥りがちです。
自動運転の技術開発はまさにこの規制のための規制によって雁字搦めになっていると言えます。
そこで『自動運転を自由に試せる街』として登場したのがウーブン・シティです。
ウーブン・シティは自由に街が自動運転に与えるノイジーな影響を試し(人間でも街並みの反射が気になったり、特定のストラクチャーを見間違えたりしますよね)、未来の街から無くすべきものを探すことができます。
普通、公道で自動運転を試すために道路標識を根本から切ったりしたら捕まってしまいますが、ウーブン・シティはそれが可能なくらい「自由」な場になることでしょう。

もう一つの自由がクルマそのものを縛るルールからの自由です。
ルナクルーザーの開発においてトヨタは宇宙服なしで乗りこめ最大40日間稼働可能な文字通りの走る宇宙船を作ろうとしています。

そこで描かれるのはいまだ開発中の水素を軸とした次世代燃料電池技術やMaaSに繋がる居住空間としてのクルマ、そして名前の由来ともなったランドクルーザーが持つような走行・走破性能。

モビリティカンパニーとして未来の道路の姿を自由に描ける街は工場跡地に、重力も大気からすら自由なクルマは月で、それぞれ全社員の想像力を自由に最大限発揮させものづくりに挑む。それが二つの取り組みにおけるトヨタの基本的な考え方なのではないかと私は思います(全部妄想かも知れません!)。

さてここまで読まれた方の中には、そんな大それた取り組みと読んでいる自分、いったいどう関係すればいいんだろう?と感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでようやく今回のタイトル、「月で小料理屋を開業する」に行きつきます。(次回へ続く)

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