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#1風通しの良い組織について

この記事は、ポッドキャスト番組「日々是思考」の内容をブログ化したものです。本編と同じテーマで書いていますが、ポッドキャストと合わせて読んでいただくことで、より一層理解が深まると思います。


風通しが良いとは何か?

「風通しの良い組織」という言葉は、ビジネスの現場でよく耳にしますが、具体的に何を意味するのでしょうか。このテーマは、採用面接でもよく質問されることから、その重要性がうかがえます。しかし、「風通しが良い」とは具体的にどのような状態を指すのかを理解し、それを意識して組織運営に取り組んでいる人は多くないかもしれません。そこで今回は、風通しが良い組織の本質について深掘りしていきましょう。

なぜこのテーマが重要か?

「風通しが良いですか?」という質問は、採用面接でしばしば出てくるものです。求職者にとって、風通しの良さは働きやすさや安心感に直結する重要な要素だからと言えるのではないでしょうか。しかし、日常的にこの点を意識してマネジメントしているマネージャーはどれくらいいるでしょうか?風通しが良いということが具体的にどのような状態を指すのか、そしてそれをどう実現するかを考えてみましょう。

風通しの良さとはレポートラインの管理

風通しの良い組織とは、実はレポートラインが程よく管理されている組織のことです。レポートラインとは、業務報告や意思疎通を行う指揮系統に沿った報告経路のことです。これを指揮命令系統、報告経路、決裁経路などと呼ぶこともあります。

極端なレポートラインの問題点

  • 少なすぎるレポートライン: たった一人の上司から全ての指示を受け、評価を受け、決裁をしてもらう環境では、上司の判断に全てが依存し、他の視点や意見が反映されにくくなります。このような環境では、従業員は息苦しさを感じ、創造性や自主性が抑圧されがちです。

  • 多すぎるレポートライン: 一方で、複数の上司から指示やフィードバックが降りてくる環境では、従業員は混乱し、ストレスを感じやすくなります。異なる指示や評価基準が競合することで、従業員は何を優先すべきか迷い、業務効率が低下することがあります。

程よく管理されたレポートライン

風通しが良い組織を実現するためには、レポートラインが程よく管理されていることが重要です。具体的には、以下のような点が考えられます。

  • 指揮命令系統: 業務に関する指示や命令は、このラインで伝達する。具体的な業務の進捗や報告もこのラインに沿って行う。

  • 学習や課題に関わる系統: 新しいスキルの習得や課題解決に関するサポートは、このラインで行う。メンターやトレーナーがこの役割を担うことが多い。

  • 会社の制度に関する相談: 人事や福利厚生、その他の制度に関する相談は、このラインで行う。人事部門や特定の相談窓口が担当する。

非公式のラインの重要性

公式なレポートラインだけではなく、非公式のラインも風通しの良い組織には欠かせません。非公式のラインとは、例えば以下のようなものです。

  • 同僚間のコミュニケーション: 業務以外の相談や意見交換を気軽に行える同僚同士のネットワーク。

  • さらに上の上司との関係: 直属の上司を超えてさらに上の上司とも直接対話ができる環境。

これらの非公式なラインは、公式のレポートラインを補完し、バックアップする役割を持ちます。普段は公式のラインを優先しつつも、非公式のラインがあることで、組織内のコミュニケーションはより円滑になります。

風通しの良い組織の構築

風通しの良い組織を構築するためには、以下のステップが重要です。

  1. 公式のレポートラインを明確にする: 業務指示や報告経路を明確にし、誰がどのような役割を担っているかを全員に周知する。

  2. 非公式のラインを許容する: 同僚同士の交流や、上司を超えたコミュニケーションを奨励し、サポートする環境を整える。

  3. 非公式のラインをバックアップとして機能させる: 公式のレポートラインに問題が生じたときに、非公式のラインが効果的にサポートできるようにする。

まとめ

まとめると、風通しの良い組織とは、レポートラインが程よく管理され、公式と非公式のコミュニケーションがバランスよく機能している組織です。これを実現するためには、公式のレポートラインを明確にし、非公式のラインを許容し、適切に管理することが重要です。このような環境を整えることで、従業員は安心して働くことができ、組織全体のパフォーマンスも向上するのではないかと思います。

ここで述べたことは、筆者の体験に基づく持論であり、風通しの良さに対する考え方は人それぞれです。また、組織の性質や文化によって異なるアプローチが求められることも理解しています。ただ、求職者にとって「風通しが良い」ということは、働きやすさや安心感に直結する要素であると言えるのではないでしょうか。

風通しの良い組織作りに取り組むことは、マネージャーとしての重要な役割の一つです。ぜひ、日常のマネジメントにこの視点を取り入れてみてください。


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Hiroaki Ohmori
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