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Flicfitのミッション | 歩くことの可能性を拡張させる

はじめまして、「REDLIST」というデザイナーズスニーカーブランドや「ardi」というスマートインソールを開発するシューズブランドを経営するなど、テクノロジーとファッションを横断した事業を行っている「フリックフィット」です。

テクノロジーとファッションを横断し、事業を行うベンチャーは少ないかと思いますが、ミッションを実現していくことにおいてこの2つの領域が混じり合っていくことは重要です。

特にその根幹に関わるのがテクノロジー領域です。まずこの領域を通して、何を開発し、何を実現し、そしてどう歩行の可能性の拡張に繋がるのか、お話します。

テクノロジーで歩くことの可能性を拡張させる

私たちは身体を計測するインソールデバイスの開発を軸に、歩行姿勢や歩行と心の関係性を調査分析し、さらに企業との共創により業界が抱える課題解決に取り組み始めています。

実は「歩くこと」には、多くの情報が集約されています。

例えば、個人を識別する(歩行映像から容疑者逮捕に繋がった事例があるなど、指紋同様に個人識別が出来る)ことや、脳関連の病気の早期発見、身体負荷による危険信号の察知、など様々な情報把握が出来ることがこれまでの研究によって分かっています。

Y. Makihara, D. Muramatsu, H. Iwama, and Y. Yagi, "On combining gait features," Proc. 10th IEEE Conf. N. Carter, database," t Comput- Automatic Face and Gesture Recognition (FG 2013), p. (to appear), Shanghai, China, April 2013.

一方でリラックスしたり、集中したり、カロリーを燃焼したり、日常的に心身のコントロールを行う際に意識的に、または無意識的に歩いていると思います。私たちも歩きながら、そのコントロールを意識します。例えば、グーグルでは歩行瞑想が社員研修として実践されていたり、歩行と上手に付き合うことで、パフォーマンスがもっと上手に出来るかも、と思ったりします。

グーグルの社員研修プログラムSIY(Search Inside Yourself)でも実践されている典型的なムーブメント瞑想に歩行瞑想があります。

DIAMOND online :なぜグーグル社員は「歩きながら瞑想」するのか?

私たちは「歩行情報の把握」や「心身のコントロール」を通して、歩くことの可能性を拡張させることで、人々がもっと心身の健康やバランスと上手に付き合っていけると信じています。そしてその未来を創造していく野望を掲げています。

その実現のために、これまで行ってきた実績や、とくにその中で必要だと感じたこと、これから必要だと思い巡らせることを、具体的な事例や思考プロセスを通して、徒然なるままにお届けしていこうと思います。

歩くことを通して未来を考える

まず、皆さんは「歩くこと」について考えたことってありますか?
多くの方が息をするように無意識に歩く中で、わざわざ「歩くこと」を考えないと思います。フリックフィットは、そんな「歩くこと」について毎日のように議論している会社です。

では一体何を議論しているか!?

それをお話しする前に、そもそもなぜ「歩くこと」を議論しているのか、その背景にどんな理由があり、「歩くこと」の先にどんな未来を考えているのか。

感覚的ですが、この10年間のデジタル技術の発達で確実に選択肢の幅が広がり、人によって大なり小なり生活が便利になった気がしています。便利だな、と感じるときはたいてい、今まで何かに取られていた時間や、まとわりついていた が取り除かれたときではないでしょうか。

その一つが「(歩いて)移動し対処せざるえなかった」ことが「動かなくても対処できる」社会になってきた、ではないかと。

欲しいものを探すために街中を歩かずとも、AIによって最適化されたレコメンドが届きます。
移動は自動車と公共交通とそれらをつなぐシェアライドが毛細血管のように張り巡らされ、より早く、より快適に、より歩かなくなりました。
ミーティングの多くはオンラインに置き換わり、友人との遊び場所はオンライン上のフィールドが増し、手段としての歩行の必要性がどんどんと少なくなりました。

あらゆるサービスが繋がり広がり、便利になった現代社会の風景

これから訪れる未来が便利で魅力ある社会である一方で、歩く機会が減ることの代償として健康が損なわれる懸念が浮かび上がってきます。

歩くことの可能性を信じる

400万年以上前から歩き続けた人類にとって、歩くことが脳をはじめ心身へ及ぼす影響は少なくないと考えています。例えば、週に1日以上8000歩を歩いている人の死亡率が大きく減少することや、歩くことで脳の記憶や学習を司る海馬の神経が増えたり、前頭葉や側頭葉が大きくなったり、ストレスの緩和や集中力の増加などに影響する論文も散見されます。

「画像」人類で始めて2足歩行し、人類の母と呼ばれるアルディピテクス ラミダス。Images:Science

私たちが歩くことに興味を持ったのは、身体を計測する面白さから始まり、煩わしい足のフィッティングの解決に取り組み、その中で身体を支える足と心身の関係の深さを知り、そしてまだ明らかになっていないことが多い「歩行と人の関係性」に可能性を感じたからです。

身体計測からフィッティングなど、これまでの事業活動について

そこに心が動き、挑戦を始めました。

歩くことによって、身体や心が健康であり続け、本来のパフォーマンスが発揮でき、そしてこれまで以上に歩き、人や風景に出会い、人生の中で気持ちが動く瞬間に多く出会って欲しいと願っています。「移動手段としてだけの歩行」から、新たな歩行の可能性を広げ、人々の日常に新たな豊かさを提供していくこと、それをフリックフィットは目指しています。

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