見出し画像

【イップス 】と【緊張】はどう違う?

 最近プロ野球でも度々話題にあがる事が多い【イップス 】皆様はどの様な物だと思われているでしょうか?

 僕の治療院ではイップスを【精神的な要因により競技中に過度な緊張を起こし、正常な動きが出来なくなる物】と定義付けし、カウンセリングにあたっています。

 しかし、このイップス は検査で数値が決められている様な物ではなく、基準も曖昧です。

 患者様は(僕は本番になると緊張して、いつものプレイが出来なくて・・イップス なんです)という方が多いです。

 しかし、緊張すればいつもの動きが出来ないのは当たり前です。これをイップスと呼んでしまえば、ほぼ全員がイップスです。

 そこで【緊張】と【イップス】の違いについて、僕の見解を述べたいと思います。

【イップス 】とは【緊張を超えた恐怖感】


 緊張とイップスの違いを理解する為に、どのような気持ちになる事が近いか例をあげます。

 お化け屋敷が苦手な人がいたとします。怖くても明るいお化け屋敷なら、緊張しながらもなんとか歩いて行けるでしょう。

 しかし、お化け屋敷を真っ暗にしたらどうでしょうか?

 明るくても緊張するお化け屋敷を真っ暗にされれば【緊張】は過度になり【緊張を超えた恐怖感=イップス 】に変わり、身体が固まり動けなくなると思います。
 
 僕の患者様の実例をあげると、試合でマウンドに上がると【緊張】し、更に(上手くいかなかったらどうしよう)と思うと【緊張】は過度になり【緊張を超えた恐怖感=イップス 】となり、身体の自由が失われるという物です。

問題は選手が悩んでいるかどうか


 カウンセリングはその選手が悩んでいる事を解決する為に行います。イップスかどうかは関係ありません。

 イップスでなくても緊張する事に悩んでいれば、緊張との付き合い方についてカウンセリングを行います。

 それに先程申し上げた通りイップスとは基準がなく曖昧な物。人によって捉え方も違います。

 僕から見たらイップスではないと判断しても、本人がイップスだと思い込めばイップスです。もちろんその逆もあります。

 そして真面目な人ほど自分はメンタルが弱い、イップスなんだと決めつける傾向があります。

メンタルが強ければ緊張しないのか?

 

 カウンセリングに来られる方はメンタルを鍛えれば緊張しなくなると思っている方が多いですがそれは違います。

 スポーツに対するカウンセリングは【緊張しなくする物】ではなく【緊張と上手く付き合える様にする物】です。

 誰だって一生懸命努力した物を現す所に出れば緊張します。逆に緊張しなければ、大した努力をしてこなかったとも言えます。

 しかし、それが【緊張を越えた恐怖感=イップス 】まで生み出してしまうと困ります。まさに【真っ暗なお化け屋敷】にいる状況です。

 カウンセリングは選手の考え方を改善し【真っ暗なお化け屋敷】に灯りをつけて、周りを明るくすることにより【緊張】はするけど歩ける、付き合っていける、というレベルにしていく物です。競技を楽しめるレベルの明るさまで灯せると、最高の結果と言えます。

 その為に過去の改善した症例をあげ、それをヒントに選手自身に目標を決めてもらい、その達成の為には何が必要なのかを話しあっていくのが僕のカウンセリングです。