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詩| 夜行バス Part II
ヘッドライトが影を伸ばして
モーテルを串刺しにした
昨日のくちづけがはにかむ
外付けメモリから流れてくる
他人事のような持ち物だ
忘れられて、荷物になって、ガサゴソ鳴って
おやすみ。
螺旋状に上昇すると
故郷も酸素も遠のいた
夜行は全角スペース一個分
体を丸めて宇宙への旅
周回するライカの郷愁
回る往年のキラーチューン
放り出されて、荷物になって、ガサゴソ鳴って
おやすみ。
好きで嫌いなひとたちがいる
だから嫌われたくないと思う
言葉を交わして呪いをかける
口を噤んで透明になる
夜行は空白、なにでもない夜
軽んじられて、貶められて、忘れられて、飽きられて、軽んじられて、誇りも失せて、放り出された
あれやこれやは今夜一旦、ただの物思う荷物になって、ガサゴソ鳴って
もうおやすみ。
後方からヘッドライト、明日を串刺しにして