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蛙太郎
2023年6月15日 01:28
浮雲ひとつ さびしい片足が 空中に蹲る 破れた靴下みたく 今にも千切れそう死ぬ間際だけお前を もう忘れるから お前は死ぬ間際だけぼくを思い出してくれ浮雲ひとつ漂っているやがて一碧二匹
2021年8月28日 17:31
晴天の休日にこそ、人けのない日陰を探す。文化ホールの裏道や、休業中の店先や。私は一人だけれども、漏れ聞こえてくる喧騒は幸福の鐘声で、それが独りを許すのだから。晴天の休日にこそ、知らない路地で立ち止まる。干上がった赤い灰皿や、公園近くの廃屋や。私は一人だけれども、坂の上に立つ陽炎は祝福の予感で、それが独りを満たすのだから。街は辛うじてのんびりしていて、私の帰属を曖昧にする。