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わたしのカメラ遍歴ラノベ風・Ⅱ
撮像素子の大きさの違いが、フォトグラフの決定的差ではないことを教えてやるっ!
そんなことは百も承知だ。マイクロフォーサーズであろうと APS-C であろうとフルサイズであろうと、写真の良し悪しは撮像素子の大きさでは決まらない。当然のことである。シャア・アズナブルよろしく脳裏で呟くほどのことでも、note の冒頭にとってつけたように書き記すほどのことでもない……。
って、頭の中ではわかっているのよね。そう、頭の中では。
けれども気になるのだ。APS-C のカメラを使えばどんな写真が撮れるのか。フルサイズのカメラを使えばどんな写真が撮れるのか。
OLYMPUS PEN E-PL9 を購入して2年半ほどたったころ、私の頭の中ではそんな思いが断続的にぐるぐると回っていた。
E-PL9 に不満があるわけではない。ただ、違う世界も見てみたいのだ。
2021年の春、そうして私は Canon EOS Kiss X10i を買った。
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失敗だった 。
EOS Kiss X10i を買った理由は簡単だ。手元に EF マウントのレンズがあったから。そこにあるのがもし F マウントだったらニコンを買っていただろうし、K マウントだったらペンタックスを買っていただろう。メーカーにさほどこだわりはなかった。
所有していたのは、Canon の EF70-300mm F4-5.6 IS II USM。これを、マウントアダプターを介して E-PL9 につないで望遠用のレンズとして使っていた。マイクロフォーサーズでは2倍の焦点距離になるから、140~600mm の画角になる。なんでこのレンズを選んだかというと…とってもミーハーな理由なんだけど……液晶パネルがついてたから。だってほら……カッコいいじゃん。(///▽///) ポッ
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なので、EF マウントのレンズをダイレクトにくっつけられるカメラとしてわりと安価でそこにあったのが APS-C サイズのセンサーをもつ中古の EOS Kiss X10i だったというだけの話である。
自分自身の若さゆえの過ちを認めたくはないけど、さきほど書いたようにこのカメラを買ったのは失敗だった。カメラが悪いわけではない。ミラーレス一眼カメラと一眼レフカメラではここまで使い勝手が違うのだと、私は予想していなかったのだ。
周知のとおり、ミラーレス一眼カメラと一眼レフカメラの決定的な違いはファインダーの構造にある。レンズが切りとった景色をミラーとペンタプリズムを介してダイレクトにファインダーに送る一眼レフカメラに対し、ミラーレス一眼カメラはレンズが切りとった景色をセンサーで処理してファインダーサイズの液晶モニターに流し込む。いちどデジタル化しているので、ミラーレス一眼カメラのファインダーに映るイメージは撮影後の画像とイコールである。ファインダー内の液晶モニターの性能に左右されるから、厳密に言えばイコールじゃないんだけど、まあ、そのあたりは生温かい目で見てください。
だから、ミラーレス一眼カメラのファインダーでは撮影後の露出を撮影前に確認できるし、合わせたいところにちゃんとピントが合っているかどうかを「詳細」に知ることもできる。けれど一眼レフカメラのファインダーではそれができない。ファインダーに写るのはレンズが切りとった生の景色である。
もちろん、背面にある液晶モニターを使えばミラーレス一眼カメラのファインダーと同じことができるんだけど……撮影後の露出の状況を背面液晶で確認しつつファインダーに視点を移し、欲しいところにピントが合っているかどうかを背面液晶で拡大しつつまたファインダーに視点を移動し……なんてなコトをやってると目がまわりそうになる。注意力も散漫になってくるし、撮影のリズムもつかめない。もたもたしてるとシャッターチャンスも逃してしまう。
「オートフォーカスを使えばいいじゃん」
と思われるかもしれないが、マクロと望遠の両極端に全振りしている私の使い方だと、オートフォーカスでは欲しいところにピントを合わせるのも至難のワザなのだ。
光学ファインダー(OVF)と電子ファインダー(EVF)ではこうも勝手が違うのか。挫折と敗北感。それにさいなまれて、買ってから半年後には私はほぼほぼ EOS Kiss X10i を使わなくなっていた。
( セイラさん、立って!)
アムロ・レイに何度はげまされようと、複雑骨折した心は戻らない。まもなく、私は EOS Kiss X10i を売却した。
過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい……それが大人の特権だ。
そう言ったのはシャアの残滓だったのか、フル・フロンタルの意思であったのか……。
そして2021年の晩秋。
私は EOS Kiss X10i を売って得たお金を次の糧にして、フルサイズの CMOS センサーをもつミラーレス一眼カメラ、Canon EOS R6 を(中古で)買うことになるのだった。
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……懲りないよね、私。(ゝω・) テヘペロ
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