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FUJIFILM X-E3 というカメラ

今年(2023年)の頭から FUJIFILM X-E3 というカメラをお借りしているので、約一か月半使用したレビューなんぞを何の忖度そんたくもなく書いていこうかと思います。

FUJIFILM X-E3 + Voigtlander ULTRON 28mm F2

とはいえ、FUJIFILM の純正レンズは1本も持っていないので、X-E3 の発色がどうたらとか富士フィルムの色味がなんたらとかいったことは書きません。

  書く資格がありません。

だってそうじゃないですか?
RAW現像でゴリゴリに加工する場合を除いて、フィルムカメラの色はレンズとフィルムで決まる、デジタルカメラの色はレンズとセンサー+画像処理エンジンで決まると思っていますので、純正レンズがない以上、色について書くことなど畏れ多くてできません。まあ、これは個人の考えですので、それでも書きたい、いや書けるぞという方の筆をお止めするつもりはありませんけどね。えへへ。

まずは基本性能から

FUJIFILM X-E3 は2017年の9月に発売された、APS-Cサイズのセンサーを搭載したカメラです。有効画素数は約2400万、常用ISO感度は 200~12800 ということになっています。詳細なスペックは他のサイトでも調べられるのであとは省略しますが、小型軽量なデジタルカメラです。ボディ内手ぶれ補正はついていません。これは「ないよりはあったほうがいい」程度の機能なので、なくても問題にはならないでしょう。

発売当時の直販価格はボディ単体で123,660円でした。

4年後には半額くらいにまで下がりました。最終的には5万円を割ったお店もあったそうです。
ところが、後継機種である X-E4 の生産が終了したころから中古市場に異変がおきて、その後価格がどんどん上昇しています。2023年2月現在での X-E3 のボディ単体の中古価格は約8万円~10万円。なんと新品で売られていたころの価格よりも高いのです。

需要と供給のバランスが崩れたせいなのか、一部のないものねだりのせいなのか、 はたまた裏世界に跋扈ばっこする転売ヤーのせいなのかはわかりませんがちょっと異常です。批判覚悟で断言してしまうと、そこまでのお金を出して買うほどの性能を、ハッキリ言ってこのカメラは持ちあわせていません。もっとも、レンジファインダー風の独特なスタイルを持っていますから、そのカタチに惚れこんでしまった場合には「いくら積んでも手に入れたい」というコトになるのかもしれませんが。

かくいうワタクシも、このカメラの外観は大好きです。

外観

といったわけでその外観ですが、さきに書いたようにレンジファインダー風の独特なスタイルを持っています。
ひとまわり小さくしたM型ライカ、といった感じでしょうか。

FUJIFILM X-E3 正面
FUJIFILM X-E3 背面

121.3mm×73.9mm×42.7mm というその大きさは、私の大好きなフィルムカメラである Leitz Minolta CL(Leica CL)とほぼ同じです。形状もよく似ています。

Leitz Minolta CL (上) と、FIJIFILM X-E3 (下)
Leitz Minolta CL (上) と、FIJIFILM X-E3 (下)

なので、Leitz Minolta CL 大好き人間である私が FUJIFILM X-E3 に惚れないハズがありません。笑

本体の上部、いわゆる軍艦部には、シャッタースピードを設定するダイヤルと露出補正ダイヤル、シャッターボタンとファンクションボタンがあります。電源ボタンはシャッターボタンと同軸です。

軍艦部のダイヤル類

このダイヤルの存在と配置が何とも言えないレトロ感を演出しています。ずるいです。好きです。
シャッターボタンの中央にはネジ溝が切られているので、昔ながらのケーブルレリーズが使えます。レトロです。ずるいです。大好きです。

背面液晶モニターについて

背面の液晶モニターは固定式です。チルトでもバリアングルでもありません。壊さないかぎり1mmたりとも動きません。
世の中は「チルト派」と「バリアングル派」に分かたれていると聞きます。どちらにも一長一短がありますのでこれについては何とも言えませんが、SNS上で二派による論争がたまに勃発してしまうのはいただけません。

  なぜ二派なのですか?

私のような「どうでもいい派」は存在してはいけないのでしょうか?(そこかい!)

冗談はさておき、カメラ本体のメニュー設定以外にほぼほぼ背面液晶を使わない私は「どうでもいい派」です。所有しているデジタルカメラ(Canon EOS R6、OM SYSTEM OM-1)の背面液晶は常に裏がえっていますし、X-E3 を持ち出すときも VIEW MODE ボタンを使って背面液晶の電源は常に切っています。
必要な情報はファインダーで得られるのだから、わざわざ背面液晶を使う機会なんてそうそうありません。背面液晶が動こうと動くまいと、横に開こうが縦に回ろうが、だから私にとってはどうでもいいコトなのです。

フィルムシミュレーションの存在

X-E3 に限らず、FUJIFILM のミラーレス一眼カメラには「フィルムシミュレーション」という機能がついています。取扱説明書によると「撮影意図に合わせて、あたかもフィルムを取りかえる感覚で発色や階調を変化させることができる機能」だそうです。
X-E3 に搭載されているのは「PROVIA」「Velvia」「ASTIA」「クラシッククローム」「PRO Neg.Hi」「PRO Neg.Std」「ACROS」「モノクロ」「セピア」の9つ。「モノクロ」ではさらに「イエロー」「レッド」「グリーン」の3つのフィルターをかけることもできます。

その様子を少し見ていきましょう。
もっとも、下にある写真は X-E3 に搭載された画像処理エンジンによるものではなく、Adobe のRAW現像ソフト「Lightroom Classic」のカメラプロファイルによる疑似的なフィルムシミュレーションなので、厳密には少し色が違うかもしれません。富士フィルムが公開している「FUJIFILM X RAW STUDIO」を使えば画像処理エンジンによるRAW現像ができるのですが……このソフト、USBケーブルでつながれたカメラ本体とデータのやりとりしているせいなのか、イヤになるほどとっても重いのです。嫌いです。しくしく。
撮影スペックは 1/320、F3.5、ISO-500、レンズはライカの Summaron 35mm f3.5(L39マウント)を使っています。APS-C ですから、焦点距離は1.5倍、約 52mm の画角になります。

PROVIA
Velvia
ASTIA
クラシッククローム

基本となるのは「PROVIA」で、これが X-E3 のデフォルトです。
「Velvia」は富士フィルムの超高彩度なリバーサルフィルム「Velvia」をベースにしているため、鮮やかでメリハリのあるカラーになっています。
「ASTIA」は同じくかつて富士フィルムから発売されていたリバーサルフィルム「ASTIA」をベースにしているようですが、「PROVIA」との違いがいまひとつわかりません。
「クラシッククローム」は、彩度を下げ暗部の階調を硬めにして、古き良き時代のグラフ誌に掲載された写真の再現をめざしているそうです。

どれがいいかは人それぞれ、好みの問題ですので、ここで言及するのは避けますが、JPEG 撮って出しを好む方や RAW 現像をしない場合には便利な機能ですよね。逆に、良くも悪くもメーカーによる味付け以上のナニモノでもないので、それを肯定できない方にとっては無用の長物でしかありませんが。

私は基本的にはすべて RAW 現像なので、なくても別に困らない機能ではあります。「RAWで撮る」=「アマチュアのくせにカッコつけてる」と考える井の中の蛙さんとはお話したくありません。笑

気になった点

長くなりましたが、少しばかり気になった点について、3つほど書いておきます。
まずは電子ビューファインダー(EVF)の性能がしょんぼりです。
約236万ドット、倍率0.62倍の有機ELファインダーなのですが、お世辞にもいいとは言えません。スムーズさはなく、カメラを動かすと画像があとからついてくる感じです。私が以前所有していたカメラ、OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II とカタログスペック的には似たような数値ですけど、モノとしてはまるで違います。X-E3 のほうが後から発売されていますので、ここはもう少しがんばってほしかったですね。本体価格の違いもありますから、価格を抑えるために性能を落とすしかなかったのかもしれませんが。

2つめは SD カードの取り出しが不便なこと。

SD カードの取り出し

裏蓋が 90 度にしか開かないのでツマミ出すのに苦労します。かといって SD カードを押さえつけると勢いよくびよーんと飛んでいって、どこにいったかわからなくなります。このあたりはもう少し工夫が必要でした。

最後のひとつは、ISO感度の設定ダイヤルがないこと。
シャッタースピードダイヤルを装備してレトロ感を出すなら、ISO感度も直感的に合わせられるようダイヤルにしてほしかったです。現在、背面にあるコマンドダイヤルにISO感度を割り当ててその場をしのいでいますが、できることなら露出補正を他のダイヤルに割り当てられるようにして、ISO感度を独立したダイヤルにしてほしかったです。

さいごに

とても長くなってしまいました。
最後に X-E3 で撮ったいくつかの写真を掲載して終わりにしたいと思います。すべてマニュアルフォーカスのレンズで撮影していますので、使ったレンズとF値については憶えていません。Exif 情報 に残らないので……。

FUJIFILM X-E3 1/1000 ISO-200
FUJIFILM X-E3 1/1000 ISO-200
FUJIFILM X-E3 1/1000 ISO-200
FUJIFILM X-E3 1/500 ISO-100
FUJIFILM X-E3 1/2500 ISO-100
FUJIFILM X-E3 1/1000 ISO-200

最後までお読みいただき、ありがとうございました。ぺこり。

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