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撮りたい時にはそばにある

『撮りたい時にはカメラなし』

そういった経験、ございませんか。
私には数えきれないほどあります。もはや「あるある」です。

いやいやいやいや、スマホがあるから大丈夫でしょ?

そう思っていた時期が、私にもありました。だけどどこか違うんです、スマホで撮った写真とカメラで撮った写真。

私が使っているスマホは SONY の Xperia 5II です。2020 年に発売された SIM フリー版です。

SONY Xperia 5II(XQ-AS42)

搭載されているカメラは 35mm 判換算の焦点距離が 16mm、24mm、70mm のトリプルレンズ。F 値はそれぞれ 1.7、2.2、2.4。センサーサイズは確かいちばん大きなもので 1/1.7 インチだったと思います。ZEISS レンズを採用し、αアルファから継承された UI によってなんたらかんたら  とサイトには書かれています。が、その性能は私にとって満足できるものではありませんでした。

SONY Xperia 5II 1/500 F2.4 ISO-25 @ 70mm

うまく言語化できないけれど、やっぱりどこか違うんです。これは私が求めていた写真ではありません。ぬるま湯につかりすぎてふやけてしまったような、ぼーっとした感覚に襲われます。解像度が足りてない? うーん、そうなのかもしれません。

センサーが小さいんだから仕方ないよね。
もっと大きなセンサーのスマホに買いかえちゃう?

そんなコトは考えません。考えたくもありません。それだけのお金があればカメラが買えます。スマホよりもずっと性能のいいカメラが買えます。


  買いました。

昨年の秋のことです。RICOH の GRIIIx

ポケットサイズのコンデジです。初めて触れた時、その小さすぎるサイズに頭のパニックがおさまりませんでした。

上から Leica M typ240、RICOH GRIIIx、Rollei35S

これで APS-C? 世界最小とも言われているフィルムカメラ Rollei35 と変わんないじゃん! ポケットにもバッグにも余裕で入っちゃうじゃん!

その日から、彼は撮りたい時にはそばにあるカメラになりました。

35mm換算28mm の焦点距離をもつ GRIII ではなく 40mm の GRIIIx を買ったのは「画角に対する慣れ」みたいなものです。

RICOH GRIIIx 1/15 F2.8 ISO-3200
1/3 F2.8 ISO-500
1/50 F16 ISO-100

お気に入りのフイルムカメラである Leitz Minolta CL の標準レンズが 40mm だし、28mm はレンズで持ってるし、そこまで頻繁には使ってないし。

ファインダーがないので背面液晶での撮影になります。
日中の屋外だと見えづらいです。でも気にしません。見なきゃいいだけです。最悪ノールックでなんとかなります。撮影機会を逃さないために買ったカメラですから。

1/100 F8 ISO-400
1/100 F8 ISO-800
1/640 F8 ISO-100

だから基本、Av モードで使っています。他のデジカメじゃ使ったことのないモードです。あまりカメラまかせには撮りたくない私ですが、設定でもたついてシャッターチャンスを逃すよりはずっといいです。じっくり撮るカメラとは、そもそもの用途が違います。

いつもバッグかポケットに入ってます。
おかげで彼はあちこち傷だらけです。

先日、銀行帰りにふと立ち寄った公園でも、彼はいかんなくその威力を発揮します。

1/160 F8 ISO-100
1/160 F8 ISO-100
1/2500 F2.8 ISO-100
1/1600 F2.8 ISO-100


このカメラは、撮影機会を増やすためのカメラではなく、撮影機会を減らさないためのカメラなのです。

例えば冷蔵庫をあけて、そこにある生卵にぎょっとしたとき。

1/40 F2.8 ISO-1600

例えば窓ガラスを拭いていて、そこにいたカエルさんに仰天したとき。

1/40 F2.8 ISO-200

例えばスーパーに行って、車を降りたとたん無数の影が上空を飛んでいったとき。

1/2500 F2.8 ISO-100

あるいは裏庭の塀のうしろに頭隠して尻隠さずの野良猫さんがいたとき。

1/200 F2.8 ISO-100

信号待ちの手持ち無沙汰でなんとなく夜景を眺めたとき。

1/30 F8 ISO-3200


そんな撮影機会を逃さないために、私はきょうも GRIIIx を持ち歩くのです。

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