年間36本以上のセミナーを企画する凄腕イベンターが認める「図解の力」
こんにちは。日本を図解先進国にする図解思想家の髙野です。
Metagramでは、図解を用いた思考法「ダイアグラム思考」を企業向け研修プログラムとして展開しています。現場で活躍する図解リーダーたちから図解の魅力や、図解の活用ポイントを等身大のインタビューで迫ります。
今回お話を伺うことができたのは大平浩之さん(60)。
普段は大手企業で車載センサーの開発をされている大平さんには、もう1つの顔があります。なんと、彼はグループ会社の社員同士が学び合えるコミュニティを通じて、セミナーやワークショップを企画~運用までこなす凄腕イベンターなのです。
今回は、これまで数多くのセミナーを企画・参加されてきた大平さんに、ダイアグラム思考で習得した図解スキルをどのように活用されているのかをお聞きしました。
・ ・ ・
チームの共通認識づくりに悩んでいた
――本日はありがとうございます。まず、なぜ業務外の活動として社員同士の学び合いコミュニティに参加されたのでしょうか。
業務とは別軸の活動として、グループ会社の社員が横断的に参加できる勉強の機会を作るコミュニティに所属しています。というのも、業務だけにどっぷり浸かっていると先が見えなくなってしまうと感じたんです。つまり、業務にはいつか終わりが来るので、業務以外のことに目を向けるきっかけを求めていました。そこで、学び合いのコミュニティ参加することにしました。今では年間36本以上は企画~運用まで携わっていますよ。
――年間36本?!そんな中で、私に図解講座を依頼していただいた背景を教えてください。
このコミュニティは、会社横断で動いているチームなので、バックグラウンドやキャリアが全く異なる多様性の高いメンバーが集まっています。ですので、企画を提案する際に全員の共通認識を作るのに手間取ることも多かったんです。
これまで、企画は文字と言葉だけで伝えることが中心だったので、企画者が「これやりたい!」と頑張っても、受け手からするとモヤっとピンボケしたまま議論が進むような感覚がありました。特に、抽象的なイメージを発信するときは、受け手が置いて行かれてしまうことがよくありましたね。
そこで、「異なるバックグラウンドも持っている人同士でも共通認識を作れる方法」として図解というテーマに白羽の矢が立ったんです。
一度は頓挫した相談が「伝えるための図解」で合意できた
――「伝えるための図解」がメインテーマだったのですね。ダイアグラム思考を習得してから、コミュニティの活動に変化はありましたか。
実は、さっそく次回セミナーのゲスト講師の方とのやり取りに図解を使ってみたんですよ。従来の体制だと、当日の連絡窓口や事務処理連絡が複雑化して混乱してしまうことが課題でした。そこで、パターンAとパターンBの体制を用意して、どちらの体制を希望するかゲスト講師の方に口頭で提案してみたのです。しかし、それぞれのパターンが誰視点でメリットデメリットがどうなっているのかがごちゃごちゃになってしまい、ゲスト講師の方からは「どちらのパターンも具体的なイメージができないので、まだ判断できません」と言われてしまったんです。
そこで、「ダイアグラム思考を実践するチャンスだ!」と思い立ち、2つの図解をしてみました。
1つ目は、パターンAとパターンBの体制図をツリー図で構造化してみました。実際に図を描いてみると、誰から連絡を受け取るのか、どのような集約をすれば交通整理できるのかなどの課題点がスラスラ整理できました。
2つ目の図解は、パターンAとパターンBのメリットとデメリットを可視化した図です。私たちコミュニティ側とゲスト講師のご担当者様側にそれぞれメリットとデメリットが発生するのですが、視点がブレてしまい口頭で説明したときはここがうまく伝わらなかったんです。だけど、しっかりマトリクス図で可視化して、図を見せながら説明することで、「なるほど、ちゃんと理解できました」と、すんなりご納得いただけました。
こうやってお互いの頭の中だけにあったイメージを図解によって多視点から構造化して可視化することで、口頭だけでは難しいコミュニケーションを乗り越えることができました。
図解はあらゆる考え方のベースになる
――これまで数多くのセミナーを企画されていますが、他のセミナーとダイアグラム思考が異なるポイントはどこでしょうか。
ダイアグラム思考は、しっかりメソッド化されているところが特長だなと感じます。なので、図解はあらゆる考え方のベースとして使っています。思考の途中で抜け漏れがないか確認したり、プレゼンのために図解したりと、業務のルーチンワークに図解が溶け込むような使いやすさを感じています。
やっぱり、情報を自分の頭の中にインプットするための図解と、自分の頭の中の情報を誰かにアウトプットするための図解をセットで使える部分が使いやすさの理由だと思います。
――図解の魅力を実感していますね(笑)。周りの人たちにも図解をしてほしいという想いはありますか。
もちろんあります。ただし、「ぜひ、図解を使ってみて!」と言い散らかすのではなく、まずは私自身がたくさんの機会で図解をすることで、その図を見た人たちが自発的に「図を描くとこんなことができるんだ!」と気づいてもらえるのがベストですね。自分が描いた図に「いいね」をもらうことが先決かなと思います。
図解とは「頭の中を整理して、わかりやすくする手法」である
――最後に、大平さんにとっての「図解」とは?
私にとっての図解とは「頭の中を整理して、わかりやすくする手法」ですね。コミュニティの活動は、役割分担やスケジュール調整、ゲスト講師との打ち合わせなど、やることが多岐に渡ります。そんな中、ダイアグラム思考によって、頭を整理することで、全体のカバーができるようになってきました。
まずは、自分自身の頭の整理のために図解して、整理した内容をさらに図解して相手に伝えるという流れが完成しつつあります。
――貴重なお話をありがとうございます。
Metagramでは、ダイアグラム思考を身に着けた方々へのインタビューと、ご意見のフィードバックを継続して参ります。図解を実践したからこそ抽出できる「ユーザーの本音」を大切にしながら、アカデミアでの研究成果とエビデンスを重視して改善していきます。
・ ・ ・
株式会社Metagramとは
Metagramは「日本を図解先進国」にするために代表取締役:髙野雄一が立ち上げました。図解には「あらゆるモノゴトを多視点から構造化して可視化する」チカラがあります。『ダイアグラム思考』を用いることで、個人の思考を深めるだけでなく、 人々のコミュニケーションを認識のズレなく円滑にすることができます。図解が強みとなることで、国や地域、業種や業界、年齢や役職を問わずに、 誰もが図解でコミュニケーションできるリーダーの育成を目指します。
代表取締役:髙野 雄一