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【詩】 マトリョーシカ




ついた嘘を覆い隠すために




一回り大きい嘘をつく。




それをまた覆うように




もう一回り大きく。




どんどんと




どんどんと




大きくなっていくマトリョーシカ。




置いていた棚は




重みで壊れて




置く場所が無くなって気づく。




もう手に負えないのだと。




丁寧に一つ一つ取り出して




一つ一つ捨てる過程で




一つ一つ大事なものを失う。




最初の人形うそ




捨てる勇気があれば




時間も誰も何も




失わなかったのだろうか。






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