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ゴーグル不要!?障子の先に広がる仮想世界

こんにちは、「Experience×Technology(体験×技術)」の岡田です。
今回はゴーグル不要で身軽に仮想世界を楽しめる3Dコンテンツをご紹介させていただきます。
モチーフに「障子」を活用したユニークな体験装置ですよ。


障子から覗く異界

日本文化にてお馴染みの障子。
壁やドアほどの強さはなく、薄紙一枚でアチラとコチラをやんわりと隔て、映る影に、気配に、滲み出す「向こう側」を感じさせてくれるのが魅力的なモチーフです。
子どもの頃、穴を開けたくなったことはありませんか?
そして穴があったら覗きたくなりませんか?

まずご紹介したいのは、そんな障子の特長をうまく織り込んだコンテンツ
「Shaw, Jinny and Mary」です。
早速下記の動画をご覧ください。

ストーリー仕立てで雰囲気たっぷりのプロモーションムービーですよね。
説明してしまうとちょっと味気なくなりますが、仕組みは以下のようです。

  • 障子の表側(体験者側)にはディスプレイなどを仕込んだ覗き穴を用意、
    裏側にはモーションセンサーをセッティング
     ↓

  • 体験者が障子の穴を覗き込む
     ↓

  • モーションセンサーで裏側にいる人を検知し、
    3Dキャラクターに変換して表側の覗き穴ディスプレイに映し出す
    (その後もキャラクターは人の動きをリアルタイムにトレース

「Shaw, Jinny and Mary」プレスリリースから

周りで見ている人にとってはただ障子があるだけですが、穴を覗いた人にだけ異界が見える、向かい側の人も気付かぬうちに異界のキャラとして登場することになる、というのもちょっとドキッとできる演出です。

タイトルも英語と思いきや、「ショウ, ジニー アンド メアリー = 障子に目あり」をもじっていて、こだわりを感じます。

ほっこりできる障子もあります

ホラーな空気で少し冷んやりしてしまったかもしれないので、もう一つ、今度はほっこりできる例を。
その名も「猫見障子」です。絶対かわいい。

動画内でもわかりやすく説明されていますが、こちらの作品では障子の手前に置かれた測域センサ(対象物までの距離や、その形状、動きを検知できるセンサ)が仕事をしています。

障子の下半分がすりガラスを模したディスプレイになっており、測域センサで体験者の動きをリアルタイムにセンシングし、その位置や動きに合わせて(あるいはあえて無視して)猫もすりガラス越しにアクションしてくれる仕組みです。

「猫見障子」プレスリリースから

あえてクリアではないすりガラス越しに気配を楽しむ、というのが
隔たれた向こう側に対する想像を膨らませ、
かえってリアリティを感じさせるポイントではないでしょうか。

応用編として温度や湿度、明るさ、傾きや振動などをトリガー化することも可能ということなので、いろんなストーリーが展開できそうですね。

手ぶらで、現実と地続きな仮想世界

仮想世界を体験する3Dコンテンツと聞いてよくイメージされるのは、ゴーグルをかぶってのVR体験ではないかと思います。

でも、ゴーグルは髪型・メガネによる不便さや年齢制限があったり、そもそもゴーグルをかぶるという「準備」の行為が現実との境をかえってハッキリとさせてしまいます。

今回ご紹介した2つのコンテンツはどちらも体験者の身一つでOK、準備不要と気軽なもので、だからこそ現実と地続きに「いつの間にか仮想世界に紛れ込んでいた」という体験につながっています。

障子というギミックにより「覗く」「透かし見る」と、特定の体験方法へ自然に誘導されるのも世界観の妙ですね。

以上
ゴーグルで現実を遮断するのとはまた違う、素敵な体験装置のご紹介でした。

今後もワクワクできる「体験×技術」をご紹介していければと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
最後までお読みいただきありがとうございました。


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Experience×Technology(体験×技術)

面白い海外事例の紹介、今までの実績を振り返りながらの裏話、個性あふれるスタッフたちによるチャレンジ企画やインタビューなど、みなさんが楽しみながらExperience×Technologyの世界に触れていただけるコンテンツを発信していきます。

執筆者:岡田
コミュニケーションデザイン部にて主にUIデザインを担当。
趣味は、ねこと遊ぶこと、花いけ。


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