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【気になるデバイス】測域センサーでタッチウォール

「Experience×Technology(体験×技術)」の出井です。

今回は、たびたび導入実績のある、壁や床をタッチスクリーンのようにインタラクティブにできるセンサーを紹介します。



大きなスクリーンでもタッチ操作を可能にできる

古くから産業分野での自動制御を手がけてきた北陽電機の測域センサー「UST-10/20LX」というデバイスです。

UST-10/20LX

こちらのセンサーはレーザーを使って、空間に存在する物体までの距離を計測します。
近年では、無人搬送台車やロボットなどの環境認識に使われています。
クルマの衝突防止機能も同様のセンサーを利用しています。
10年以上前から、インタラクティブコンテンツにも活用されはじめています。
大きな空間やスクリーンで人の動きに合わせて、映像がダイナミックに変化するインタラクティブアートにはよく使われています。


人やモノの位置を解析する仕組みとは?

人やモノがどこにあるかを広い範囲で感知解析するには、赤外線ではなく、クラス1のレーザーを照射して反射光をキャッチします。
平面で広範囲をカバーするために、このセンサーは、走査角度270度で1回の走査時間は、25ミリ秒と超高速です。
角度分解能は、0.125度となりますので、270度を1080分割して感知できます。
検査距離(検知範囲)は、10mと20mの2種あります。
通常のインタラクティブコンテンツでは、10mのものを使います。
検知された様子は、航空管制のレーダー表示のような画面で表示されます。

UST-10/20LX紹介映像と活用アイデア

上記の映像からも分かる通り、大スクリーンでのアプリ操作が可能です。
センサーから受け取る信号は連続する位置座標データなので、それをタッチやドラックなどアクションに変換するプログラムは別途作成する必要があります。

プロジェクションだけでなく、マルチモニターやLEDディスプレイの大きなスクリーンと組み合わせてインタラクティブな操作が可能になります。

上のイメージのように、このセンサーをスクリーンから手の届かない距離に離して天井に設置することにより、タッチすることなく画面操作することも可能になります。
また、センサーを通路に水平に設置して、手前を通りかかると、センサーが感知して映像が変化したり音声が流れたりすると、好奇心が刺激されて少しだけでも体験したくなるのではないでしょうか。
さまざまな施設にデジタルサイネージが導入されていますが、後付けで設置することが可能です。ただし、UIプログラムの改修は必要になります。

ショールームやイベントでも、大スクリーンの前で、ダイナミックでインタラクティブなプレゼンテーションが可能になります。
アーカイブデータとAIなどを連携して、来場者に合わせたストーリー展開もできると考えています。元々は産業用センサーですが壁や床以外にも動くものに設置したり、使い方次第でアイデアは広がります。
このほか、産業用の機器をインタラクティブに使った事例は別途紹介していきます。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も気になるデジタルツールや関連イベントなどをご紹介します。
今回のツールは、今後の非接触・AI自動化社会では、さまざまなシーンに組み込まれ普及していくと思います。


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面白い海外事例の紹介、今までの実績を振り返りながらの裏話、個性あふれるスタッフたちによるチャレンジ企画やインタビューなど、みなさんが楽しみながらExperience×Technologyの世界に触れていただけるコンテンツを発信していきます。

インタラクティブ・プロジェクションマッピング


執筆者:出 井
株式会社フラッグ コミュニケーションデザイン部プロデューサー
長年、デジタル体験とリアル体験の融合をテーマに、ショールーム・体験施設や展示会・イベント・ウェブまで幅広く企画・システム設計・空間設計からプロジェクト管理までトータルで担当。



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