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商品・記事のリコメンドと文脈

メディアやECサイトにおける、リコメンデーション(オススメ)の考え方の覚書。

リコメンデーションは、ど直球協調検索(みんなの買ってるもんを推薦)では機能しないこともある。ユーザーの利用文脈に応じて、オススメするロジックを切り替えてくのが重要。文脈で必要なものって、結構かわるんですよね。


なんとなくページを見ているとき

いわゆる本人の行動履歴や、この商品を買っている人の購買履歴、それらから算出された協調検索によるリコメンデーションでOK。

購入を検討しているとき

パソコンを購入検討しているとき、商品ページに出て欲しいのは比較商品。各社メーカーの同価格帯のパソコン、あるいは同メーカーの上位機種など。

発動条件
・ユーザーがパソコンA、パソコンB、パソコンCと、複数の同カテゴリ商品を巡回したとき
理想的なリコメンド
・競合A、競合B、競合Cの同価格帯商品
・同メイカーの入門機種、上位機種
・同カテゴリの売れ線商品
・漫画等シリーズモノの場合は、1巻、前後巻


カート投入後〜購入直後

商品の購入移行が定まった〜購入直後に出て欲しいのは、付属品・関連商品。マウス、キーボード、メンテ用品、電池、保険などのリコメンドが望ましい。

発動条件
・商品をカートに入れたとき
・商品を購入した直後
理想的なリコメンド
・保険等のオプション
・ハードディスクやメモリなど、アップグレード
・バッテリー、メモリーカードなど補充品
・マウス、プリンタ、三脚など周辺の関連物
・入門書など学習リソース
・漫画等シリーズモノの場合は、次巻


シリーズ物の閲覧時

ゲームや漫画などのリコメンドでは、前後の文脈が大事になる。漫画の15巻のページには、14巻、15巻、および新規のための1巻へのリンクが、必要となる。ゲームや映画も同様に、前作や最新作、外伝などの導線があるとよいだろう。

発動条件
・漫画やDVD、ゲームなどシリーズ物の閲覧時
理想的なリコメンド
・1巻
・全巻と次巻


購入から一定時間経過後

大きな買い物をしたあとは、その製品のライフサイクルにあわせた情報が送られてくるのが望ましい。保証期限がきれたら更新のオススメ、最新機種がでたらば下取り購入のオススメなどだ。逆にパソコンを買ってからしばらくは、パソコンをリコメンドする必要はない。

発動条件
・購入から一定期間が経過
・新製品の発売
理想的なリコメンド
・新製品の通知
・関連する新商品の通知
・メンテのお誘い
・補充品の通知


偏った思想に対するリコメンド

スマートニュースのようなメディアは、左派のユーザーにはあえて一定数の右派の記事を、右派の人には一定数の左派の記事を…といった具合に、カウンターとなる記事を織り交ぜている。メディアにおいて、完全にユーザー好みのデータのみを渡していると、思想が偏ってしまうので、アルゴリズムでその辺のバランスをとっていく。

発動条件
・特定の意見や思想に純化しやすいメディア
理想的なリコメンド
・反対派閥の意見が一定数混ざる
・全員が把握しておくべきトピックが一定数混ざる


などなど、噂で聞いた限りだけど、トップレベルのリコメンドシステムは、「子供向けの誕生プレゼントの購入履歴から、子供の年齢を類推。次の年以降、推定される子供の年齢にあわせたオモチャを推薦する」とかのレベルらしい。ヤバイ。

あと「温度や天気によって、推薦する商品が変わるシステム」みたいな工夫も、何度か噂で聞いたことある。

僕は実家がコンビニで、父親が「近くで工事やってたら、塩辛い弁当を増やす」とか「運動会あれば…」みたいなチューニングをしてた。noteのリコメンドエンジンも、いつかそのレベルのオススメまで到達できたらいいなぁと思います。

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