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日記

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記事一覧

空腹

アッと思った時にはもう、血が出ていた。
かみそりで膝下の毛を剃っていたところ、かみそり負けをしてしまった。
冬だし、誰かに肌を見せる予定もないし、最近まったく気にかけていなかった、ムダ毛処理をしようなんて急に思い立ってやるんじゃなかった。

手の甲を見るたびに傷が増えている気がする。
乾燥。あかぎれ。ささくれ。手荒れ。
この間、初めてネイルサロンに行って、形を整えてもらうのと、甘皮のケアをしてもら

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あなたのこと好きだったの

LINEの友達欄をばーっと見ていたら、ウェディングドレスの後ろ姿が目に入った。
わたしが高校生の時に初めてちゃんと組んだバンドのメンバーだった。

わたしはベースを弾き、彼女はボーカルをしていた。
ライブ中に、右側から見る彼女の横顔は今でも思い出せる。

ウルフカットで、基本は黒髪を、時に銀色や青緑色にしているのがとても似合っていた。
ライブ以外は化粧気がまったくなく、たまに制服で会ったときのスカ

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花の上

意識が飛ぶようになってきた。
飛ぶというか飛ばせるというか、あ、いまわたしここにいないな、と。

覚えてるような覚えていないような切り傷に気がつく。
シャワーを浴びて、傷にしみて、初めて、痛い。
そろそろだと思う。

2021.12.17

「普通」になれると思って行動した結果、後悔していること

行動経済学によると、人間は、
やって後悔するより、やらないで後悔する方が大きいという。

空腹を満たすための自炊・食事じゃなくて、お金と時間にとらわれないでその時食べたいものを作りたい。当たり前だからといって大してお腹が空いてないのに一日3食とるより、お腹が空いた時に食べたいものを好きなだけ食べたい。

誰かと暮らすということはお互いの生活リズムをすり合わせる必要があるけれど、概して「一般的」「普

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腕時計

仕事でも遊びでも、外へ出かけるときは必ず、腕時計を左腕につける。
12歳、中学入学の記念に祖父母に買ってもらった。文字盤が白蝶貝で、角度によって緑、青、薄ピンクに見えるところが気に入ったのを覚えている。

毎日身につけていて、家に帰ると同じ場所に置いていたのに、一度なくしたことがあった。
大騒ぎをした。鞄をひっくり返したり、あらゆる引き出しを開けたり、家中を探し回った。それでも見つからなくて、親に

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近所の焼肉屋さんの突き出し

近所の焼肉屋さんの突き出し

わたしのneverland dinerは、小学生まで住んでいたマンションから歩いて5分ほどのところにあった焼肉屋さんで、突き出しとして出てきた「にくこん」。細く切ったこんにゃくと蓮根と、おそらく焼肉用にならない肉の切れ端を甘辛く炊いたもの。途中で突き出しではなく単品になったが、それからも必ず家族でひとり一鉢頼むくらい好きだった。

その焼肉屋さんは、おじいちゃんとおばあちゃん、息子さんとお嫁さん、

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パンの話

いつもより、ほんの少しはやく家を出た。
仕事場の近くにあるパン屋に行ってみようと決めていた。
スーパーの角にあるパン屋とか、駅ビルの中に入っているチェーンのパン屋ではなくて、路面店の、町のパン屋。
駅から仕事場とは違う方向に歩いた。

初めての道だった。事前にスマホで地図を確認していたけれど、まっすぐの道はなかなか距離があって、道が合っているのか不安になった。
途中、お豆腐屋さんがあった。そば屋も

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十七歳

夜中に壁に背中をくっつけて勉強するのが好きで、美容院には行かずに自分で髪の毛を切っていて、学校帰りにバスに乗ってスタジオに通っていて、土日には本屋に自転車で行って立ち読みをして過ごして、そしてわたしは十七歳だった。

そのような記憶は確かにあるのに、目の前にいる子どもたちとわたしはまったく別の生き物だと思う。
ここに、わたしがいないことを奇妙に思う。

2021.01.15

雑記

ベビーキャメルの大判ストール
たっぷり生地を使ったベルテッドワンピース
ベロアのストラップシューズ
オールドセリーヌのトートバッグ
パンラズナとバニラと世界一美しい猫の写真集
栞がわりのイチョウの葉

そろそろわたしが新しくなる、気がする

薬のせいでエメンタールチーズみたいに穴がぽこぽこ開いた記憶力で、それでもまだ覚えていることが本当に大切なこと?
いなくなった人たち、忘れてしまった出来事、感情

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眠り

眠り

眠りについて考えると、途端にかなしくなってしまう
わたしはこんなに夜のことを愛しているのに、夜は全然わたしのことを見てくれないから

寄せては返す波
潮が満ちてきて、足元をひたひたと濡らしはじめるように、夜が始まる

この時間だけは、誰にも邪魔されない、わたしだけのものになる

カーテンがすこし開いているのが嫌だ
閉めようと空を見上げると、くし切りにしたリンゴをしゃくったような形をした月が見えた

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あなたに訊きたい7つのこと

仲の良いフォロワーさんたちがやっていた、「あなたに訊きたい7つのこと」が気になったのでやってみる。

元サイト→ あなたに訊きたい7つのこと#2|MasatoKanai #note #いま私にできること

1. あなたにしかわからない自分が不機嫌なサインを教えてください。

頭の中では不機嫌さを表すことばをたくさん考えるけれど、出口が狭いのでなかなか出てこない。無口になる。視線が一点を捉えて離さな

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七夕の願い

 本と、香水と、洋服があれば、わたしは生きていける。形あるものの手持ちは少なければ少ないほうが生きやすいと思う。

 文章も、香りも、思い出も、すべて心の中に留めておいて、最期は一輪の花を手にして眠っていますように。

2020.07.07

※本当はもっと長かったけれど、エラーで消えてしまった。まあそれはそれでいいか。

泡沫

 表面張力によってぎりぎり保たれていた。とうとうグラスからこぼれていこうというとき、わたしの喉元からあふれていこうというとき、声に出してしまったことばたちはシャボン玉みたいにぱちんぱちんと弾けていく。

 わたしのことばはわたしの中にだけあって、外の世界ではなかなかうまく伝わらない。

2020.06.26

放課後の先生

 努力したって平均までたどり着けないやつなんてたくさんいますからね。このままの世の中じゃ、いくら性格がよくても切り捨てられるやつがどんどん出てくるんじゃないかな。

 学校の先生はまあいい大学に行って、試験にも通ってこの仕事に就いているわけだから、そういうやつらのことがわかんない。小中高大、だいたい勉強ができたから、勉強できないやつらのことがわからない。赤点取るとか理解できない。実際どうですか。授

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