見出し画像

眠り

眠りについて考えると、途端にかなしくなってしまう
わたしはこんなに夜のことを愛しているのに、夜は全然わたしのことを見てくれないから

寄せては返す波
潮が満ちてきて、足元をひたひたと濡らしはじめるように、夜が始まる

この時間だけは、誰にも邪魔されない、わたしだけのものになる

カーテンがすこし開いているのが嫌だ
閉めようと空を見上げると、くし切りにしたリンゴをしゃくったような形をした月が見えた


2020.12.24

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?