見出し画像

管理職・リーダーのためのコミュニケーション能力(その11)

これまでに、「聴く」「伝える」「教え方」「褒める」「叱る」「評価」など、コミュニケーションのやり方について書いてきました。
一方で、コミュニケーションを取る上で必要なあり方を大切にする必要があります。あり方が望ましくない状態だと、どんなに素晴らしいやり方をしても全く意味がありません。

あり方として、これまでに以下のことを書いてきました。
その4  「外向き思考で行動する」
その5  「相手の立場になって考える」
その10 「自分自身の状態を整える」

今回はこれらに加えて、「誠実さと情熱」ということについて書いてみたいと思います。

まずは「誠実さ」です。
これは、単に人に対して優しいとか真面目ということではなく、仕事に対するひたむきさや、裏表がなく一貫性があるということも含まれます。
ドラッカーは、マネジャーに必要な資質として「インテグリティ(integrity)」を挙げています。(日本語版では「真摯さ」と訳されています)。
ここで言いたい「誠実さ」とは、まさにこの「インテグリティ(integrity)」のことです。
ドラッカーは、インテグリティの欠如した人の特徴として、以下の5つを挙げています。
 1.強みよりも弱みに目を向ける人
 2.何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ人
 3.真摯さよりも、頭のよさを重視する人
 4.部下に脅威を感じる人
 5.自らの仕事に高い基準を設定しない人
これらを裏返して考えると、インテグリティのイメージが浮かぶのではないでしょうか。

次に、「情熱」です。
管理職やリーダーは、組織を正しい方向に導く必要があります。
しかし、「正しさ」をいくら理論的に説明しても、それだけで人を動かすことはできません。
そこに、人を動かす心理的なエネルギーが必要です。
映画監督の山田洋次氏は、「男はつらいよ」の中で、
「人間は、理屈なんかじゃ動かない」
ということを繰り返し発信しています。
人を動かすためには、管理職やリーダーとしての目標に向けての想いの強さ、本気さ、高いモチベーションを示すことが大切です。
このことを「情熱」として表現してみました。

管理職・リーダーのためのコミュニケーション能力、
その11は「誠実さと情熱」です。

いかがでしたでしょうか?
次回は「挨拶」について書いてみたいと思います。

株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?