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フクスケ副業管理事例インタビュー【サイボウズ株式会社】

副業に関する制度で様々なメディアでも注目されており、自立的な働き方を実現していると評価されることの多い、サイボウズ株式会社。今回サイボズウズで副業管理担当をされている、人事部 野間美賀子様に具体的なお話をお伺いしました。


―――本日はありがとうございます。サイボウズさんは、副業制度がメディアでも採り上げられて有名になっています。まず、前提となる制度や仕組みについてお教えください。

野間様(以下、敬称略)
ご説明します。まず、弊社ではルール上NGなものであるもの以外、副業は完全に自由としておりますが、決して推進しているわけではありません。
弊社の人事制度上の、個人の自立や成長、一人ひとりの幸福を追求するということから当然に認めているということです。
そういった中で、特に副業に関連して採り上げられることが多いのが、弊社で新しく始めた制度である「働き方宣言」制度です。これについてご説明します。

―――よろしくお願いします。

野間 まず、もともと弊社では、個人の働き方をより自由にフレキシブルにしていこうという方向性があり、時間と場所で区切られた、9分類の働き方から自分に合ったスタイルを選ぶというものを取っていました。これは、たとえば育児中の社員で時間を短縮して、自宅で勤務したい場合には、「C3」を選ぶというように分類ごとに人事管理をしていくというものです。

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―――それはそれで先進的な制度ですね。
野間 はい、様々な働き方をしたいという社員の要望に応えたものだったのですが、副業まで含めてさらにフレキシブルな働き方が徐々に多くなってきまして、同じ分類の中でも働き方は一人ひとり異なる状態になってきました。

そのため、自分の希望する働き方をチームメンバーに適切に伝えられるよう、時間や仕事内容まで全てを1人1人の社員に宣言してもらい、それによって労働時間をめる決める、という「働き方宣言」制度という新しい制度を2018年より実施したのです。これを発信した会社のオウンドメディアなどが注目され、様々な方にご注目頂き、WEBメディアなどでも採り上げて頂いたのだと思います。

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―――なるほど、先ほどおっしゃった通り、人事制度の軸に、強固に自立を重んじる思想があるのでしょうか。

野間 はい、その通りです。サイボウズで100人100通りの人事制度を維持していくためには「自立と議論」という風土が必要不可欠だと考えています。「自立」は自分で選択し、自分で責任をもつことと定義しており、たくさんある選択肢の中から選ぶ・選ばないは個人の自由です。副業についても選択できる環境がある中で、副業する・しないは自分次第、どちらが良い悪いというものではありません。また、多様性を重視すれば、答えは一つとは限らないため、もやもやしたときには質問責任を果たすこと、質問された場合は説明責任を果たすことも重要と考えています。

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―――なるほど、経緯等が大変よく分かりました。副業の申請で留意している点、またトラブルなどはありますでしょうか。


野間 弊社の制度の内容として、副業は全てを申請する必要はありません。他企業で雇用されている場合と、弊社の資産(業務の時間や物)を使う場合のみ事前に申請すること、というスタンスを取っています。そのため、副業をする社員の全体の数よりも申請数の方がかなり少ないと思います。
一部、悩ましい副業というものはあり、たとえばエンジニア職の副業として、自社製品に関連したサービスを副業として実施する場合についてはサイボウズの業務として実施すべきものではないか?という確認が入るケースはあります。

しかし、明確にサイボウズやパートナー企業と競業する場合は本人と相談せざるを得ないですが、そうでない限りは基本的に認めています。また、将来的にそういった問題が起こったらただちに副業を中止してもらう可能性があることは本人に伝え、了承も得ています。


―――なるほど、筋の通った、オープンで公明正大なスタンスだと思いました。副業で問題になる事項として、会社資産や顧客の盗用などの悪意をどう見極めるか、といったことが取り上げられます。しかし、そこまで公明正大でオープン、かつ認めていくスタンスを取ると、悪意を持つ方が、面従腹背をしたりといった面倒くさいコミュニケーションのコストがかかり、リスクが防止できるのかもしれないと感じました。


野間 はい、弊社では、価値観としても公明正大であることを大切にしています。先ほどご説明した通り人事制度も全て、オープンで正しく自立性を重んじていくというスタンスを取っています。

また公明正大という意味で、情報もなるべくオープンにしています。評価制度についてはは成長評価と給与評価を分けて捉えているのですが給与評価についてはクローズド、給与・プライバシーに関わる要素以外の、成長評価などは基本全てオープンを心がけています。

副業についても同様で、副業の申請内容は全てオープンです。グループウェア上で公開されており、気になる人は誰でも見に行くことができます。そうすることでチームメンバーがもやもやすることが減り、事業や個人の仕事の推進に繋がりますし、会社の判断基準もオープンになりますので、「自立と議論」の文化が保てると考えているのです。


―――貴社における副業制度の背景となる風土や、制度について大変よく分かりました。副業申請の件数や、内容はいかがですか?

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野間 件数についてですが、制度が始まった2017年からの総件数としては、92人207件になっています。この数自体が多いわけではないと思います。ただし、外部の方に研究の一環として行って頂いたアンケートでは、社員の約3割が副業を行っているという調査結果が出ました。そのため、実際の数としては申請の数よりもっと多いと思います。

最近、単に肩書としてサイボウズ社員だという風に名乗るだけの場合は申請をしなくてもよいこととしましたので、より実際の副業件数は多くなってきていると思います。
副業に特化した話ではありませんが、制度の社内での認識も高まったため、より自分らしいフレキシブルな働き方がさらに一般化はしてきたとは思います。副業の内容としては、エンジニアの方だと本の執筆や、別の会社や独立してのエンジニア職がやはり多いです。ビジネス職でも、イベントでの登壇講演やライターなどがよくある事例でしょうか。

―――なるほど、付加価値的な副業がやはり多いですね。貴社での業務を通じた能力開発の結果であるとともに、貴社にとってもメリットなのだと思います。貴社として今後、副業とも関係した人事制度全般で何を目指していくのでしょうか。

野間 個人の幸福とチームの生産性をさらに高い次元で両立させたい、ということです。サイボウズの企業理念の一つは チームワークあふれる「会社」を創る です。この理想に近づくために、「自立と議論」「公明正大」という風土を醸成し、100人100通りの人事制度を検討・運用してきました。ひとりひとりが独り善がりにならず、チーム目線でもよく考えてから、自分の生き方・働き方を考え、チームに伝えていく、議論するということが大切であると考えています。そういう風土や制度を今後もどう創り出していくか、維持していくかということを常に意識しています。また、検討段階で広く社内に向けて相談し、深められる仕組みも重要だと思います。


副業も含めた個人の働き方がよりよくなるためには、こうした、個人と会社で共有できる考え方や目指したい理想があることが重要です。個人は必ずしもサイボウズに属し続ける必要性はない、という完全な自立をまずは認めた上で、その上で自由な意思で、社員に選ばれ続ける会社であることが今後の会社の在り方だと考えています。

そうした中で、個人としても組織としてもさらに良い状態になるよう、副業も含めた、制度や仕組みを活用していくことができればと思います。

(執筆 社会保険労務士 松井勇策)

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サイボウズの副業制度

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