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ウェディングプランナーから卒業してキャリア転換した話

この記事のきっかけはTwitter上の出会いから。

転職支援をされているりんぺいさん(@pei3_HR_SaaS)から「プランナーから異業種・異職種に転職した経験談を聞きたい」とメッセージをいただいたことです。プランナーからIT業界を目指されている方のキャリア支援の参考に、とお声掛けいただきました。

私は、会場プランナー(営業職)からマーケティング部署に異動後に転職をしましたが、実は営業職時代に転職を試み、挫折した経験があります。その理由は、転職するにあたって活かせるスキル・経験があると思えなかったからです。当時の無力感や悔しさを思い返し、何か少しでもお手伝いしたい!という気持ちと、異動・転職を経てプランナー経験が武器になっていると感じることがたくさんあるので、お話することにしました。

その際に話したことをnoteにしました。あくまでも個人的な経験談ですが、プランナー卒業を考えておられる方・キャリアチェンジを考えておられる方の参考になれば嬉しく思います。

プランナー経験が活きるスキル

まずは他の職種・業界でも活きたな!と感じたスキルを3つ紹介します。

一つ目は、本音を引き出す力です。新郎新婦ふたりのお客様に向けて同時に営業するのが、ウェディングプランナーの仕事。結婚するカップルと言えども価値観や意見は違って当然。最も顕著な例は、結婚式挙げる/挙げないに関する男女間の温度差です。そんな場合、ふたりそれぞれに本音を話してもらわないといけない。第三者として対話をファシリテートすることが求められます。この力は、営業職以外にも部署間・利害関係者同士の調整の場面で活かせます。

二つ目は、意味づけする力です。結婚式は、究極の無形商材。どんな式場・ドレスを選んでも、結婚式がどんな一日になるか当日までわからない。幸せな一日を信じていただくことで、式場の契約をいただき、ドレス・お料理・写真などのアイテムを申し込んでいただけます。そのためには、この式場/アイテムがお客様の未来をどう変えるのかプレゼンテーションし、納得いただかないといけません。モノが売れない時代、ストーリーを語り心を動かす力は必須です。社会人歴10年ほどの若いカップルから数百万円もの金額をいただく。大事な一日を託してもらえるだけの心を動かす力は、ほかでは得難い経験だと思います。

三つ目は、相手に合わせる力です。これは忖度や媚びを売るという意味ではありません。プランナーをしていると様々なバックボーンや価値観をもった人に出会います。時には親子関係や金銭問題など深い事情に遭遇することもあります。そんな時でも「そうなんだ」と心をフラットにして受け止め、相手の立場に立って考える力が求められます。自分の価値観を外して物事を捉える経験は、視野を広げ建設的に物事を前に進める力を高めてくれたと思います。

ウェディング業界の「当たり前」は魅力

ここではスキルとは言わないけれども、異業種に転職して感じたウェディング業界の魅力を2つ紹介します。こちらは転職時というより、入社後に伝わることかもしれません。

一つ目は、桁違いの顧客志向です。「お客様のため」このフレーズは、大半の企業で大事にされている価値観です。しかしウェディング業界でいう「お客様のため」は次元が違うように感じます。実際に私は転職先で(いや、もっと頑張れるでしょ・・・)と物足りなさを感じたことが何度かあります。今振り返って考えると、ウェディング業界が異常値。やはり「一生に一度」をお手伝いする熱量と責任感は、類い稀だと思います。

二つ目は、職場を明るくするパワーです。普段から「特別な一日」をお手伝いしているためでしょうか。誰かをお祝いすること、感情を共有することに長けた人が多いように感じます。初受注や目標達成、同僚の誕生日など。誰かをお祝いする回数がとにかく多い。またメッセージカードで感謝や労いを伝えるのも当たり前。そんな小さな心遣いが職場の空気を明るくします。働き方改革によるコミュニケーション問題が深刻化しているなか、ウェディング業界のこの習慣が多くの職場に浸透したらいいな、と個人的には思っています。

さいごに

ウェディング業界・プランナーを卒業しましたが、私にとってウェディングプランナーは「生まれ変わってもまた就きたい職業」です。そのくらい多くを学び、濃厚な日々を過ごした時間です。

転職だけが選択肢ではありません。現職に残る選択肢もありますし、職場を変えてプランナーを続けることも、ウェディング業界で違うキャリアに挑戦することも、他業界で新しい職種にチャレンジすることも、様々な選択肢があります。個人的には、どんな選択をするかよりも、納得して前に進むことが大事ではないかと思います。

この記事で伝えたいのは、活かせない経験はないということです。初めて転職を試みた時には見つけられなかった業界・職種の魅力。この魅力に気づけたのは、全く異なる業界・職種を経験したからです。

今手元にある「当たり前」には気づきにくい。少し視点を変えて捉えるだけで「こんな活かし方があるのか!」と新たな一面を発見できる。わかっていても、ひとりで視点を変えるのは難しい。この記事が「違った一面」をみつけるヒントになれば嬉しく思います。

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