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嘆き全集

12
短編小説集
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#遺書

哀愁の楽園

哀愁の楽園

私は荒々しい色を絢爛と浴びせる白練の砂浜の上に立っている。心地よい海風が頬を撫で、私に僅かな微笑みを授けてくれる。

遠くの湾曲した砂浜に見える、一切の汚れがない月白に輝く灯台の元へ向かう。しばらく歩くと、屹立するその灯台と白練色の砂浜をわずかに区切る、大きな岩に腰掛けた人影が映る。私がかつて何処かで交友を結んだ、愛する友人達の姿だ。

静かに談笑をしながら明鏡止水の大海を眺める仲間の元へゆく。

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嘆き 短編集1

嘆き 短編集1

所業

私は自らの堕落や私欲による悪業によって報いを受けていることを自覚している。しかし、他の人間が善良故に豊かな生活を送っているとも到底思えない。

仏滅

屠殺される雌牛のような胴間声をあげる妊婦の肉体を張り裂き、大きな肉塊がその頭を突き出す。私は助産師と共に、分娩台の上で血塗れで痙攣するその肉叢にいかめしい喝采を浴びせる。針金のような硬い髪を持つ医師が宣告する。

「おめでとうございます。立

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嘆き

嘆き

古くから知る最愛の友人がもうここには戻ってこないという知らせが届き、私はある種の譫妄状態に陥る。

切らすまいとなんとか保ち続けてきた一本の糸がプツンと途切れてしまったような感覚を皮切りに、窓の外の金色の靄は密雲に覆われる。

私と友人の2人で時間をかけて育ててきた、幾尋にも及ぶ美しい植物の海に、灰がポツポツと降り始める。私は乾いた唇の間から気の抜けた声を漏らし、バンガローから飛び出る。

5大陸

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