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嘆き全集 | Franz K Endo
2023年2月11日 16:45
錆びれた手間包丁を強く握りしめている。目の前に積まれた亡骸を前に、傍ら寂しくすすり泣くばかりだ。言葉にならない寂寞な思いを叫び、大切な存在を慈悲もなく奪った天を責める。しかしまだ私は、自分の犯した徒疎かな罪を知らない。
2023年2月1日 14:46
私は荒々しい色を絢爛と浴びせる白練の砂浜の上に立っている。心地よい海風が頬を撫で、私に僅かな微笑みを授けてくれる。遠くの湾曲した砂浜に見える、一切の汚れがない月白に輝く灯台の元へ向かう。しばらく歩くと、屹立するその灯台と白練色の砂浜をわずかに区切る、大きな岩に腰掛けた人影が映る。私がかつて何処かで交友を結んだ、愛する友人達の姿だ。静かに談笑をしながら明鏡止水の大海を眺める仲間の元へゆく。