加害

錆びれた手間包丁を強く握りしめている。

目の前に積まれた亡骸を前に、傍ら寂しくすすり泣くばかりだ。

言葉にならない寂寞な思いを叫び、大切な存在を慈悲もなく奪った天を責める。

しかしまだ私は、自分の犯した徒疎かな罪を知らない。

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