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#adtechtokyo 育てるカルチャーから育つカルチャーにするための四つの秘訣

どうも、フクパンマンです。ad:tech Tokyoのレポート第六弾は、私も登壇したセッションについて、深堀させていただきます。

上司と部下・組織と個人・プロパーと中途、事業主とベンダーといった一見対立する構造を超えてどう関わっていくと人は育っていくのか、というテーマです。

人に焦点を充てたセッションは何個かあったのですが、本セッションは包括的に語られている(と自負している)と思いますのでレポートさせていただきます。

誰が発言したかが重要ではないのと、議論が進む上で各意見が織り混ざって結論が導き出されたので、結論ベースで一人の人が話したかのようにまとめています。(参加したこともあって深い理解ができたこともあり)。そのため、セッションの流れや内容と一部異なります。

今回は、議論の内容を『育つカルチャーにするための四つの秘訣』としてまとめてみました。

個人的には三つ目の『会社の幹を太くするためにいるべき』という話がとても印象に残りました。(こちらはダイキン片山さんのご発言でした。)事業主への転職は中途社員の力試しの場ではなく、しっかり会社を愛して貢献することがやはり必要であると確信できた素晴らしいメッセージです。これはプロパーでも同じで、コンテクストが重要になってきた時代に、まだまだコミットが足りなすぎる気がします。

きっとどの立場の方が読んでも参考になる視点が散りばめられていると思います。それではどうぞ。

はじめに:今、それぞれの立場においてどんな変化が起こっているのか?

(まず、マーケティング業界において上司と部下、組織と個人など、それぞれにおいてどんな環境の変化があるかについて議論されました。)

コロナによって、デジタルマーケティングの場所において組織論、育成論に向き合わなければいけなくなった。それは、デジタルマーケティングの重要性が高まり、施策のスピードが求められる中で従来の「10年たったら一人前」「コンピテンシーはこうやって培っていく」というのだと遅すぎるようになったためだ。

そうなると、新しい知識が求められるゆえに上司が知らないことを部下が知っているのが普通になった。つまり、部下の方が知恵があることを認める、上司の方が知識がないことを認める必要が出てきた。しかし、上司が「情報を持っているという事でしかマウントをとれない」という事が多い。“上司の方がなんでも知っている”という昔ながらの考えはあり得ない。

事業社側でも、中途社員が増えてきて会社はどう扱うべきか、自身はどう振る舞うべきかという課題も増えてきた。つまり、組織・個人としてスタンスのアップデートが必要になってきた。

(ここから、『育つ環境にしていくための四つの秘訣』としてまとめていきます。)

①一次情報をフラットに共有する重要性

(まず、本セッションのハイライトとなる情報提供の重要さが語られました。)

中途の視点からだと、会社の文化にどう溶け込んでいくかを考えながら結果を出していかなければならない。その厳しい環境のなかで熱意を出せるようにしていく環境づくりは重要。

熱意をもたなければならないのは中途はもちろん、プロパーも同じ。そのためには、上司としてどのメンバーにもフラットに、全ての情報を出し惜しみせず、何からやるべきなのかから一緒に考えてもらえるような「公平な情報」を全員に提供すべき。

また、情報提供もすべて伝えるのではなく、部下が解釈しやすいような情報に加工して提供することが重要。上司の役割が明らかに変化してきた。

一方、部下の視点からも、自分から情報をキャッチアップしていく姿勢が必要。自社のサービスを把握しきっていない、自社のサービスを自信を持って薦められないようでは消費者に愛は伝えられない。一次情報を積極的に取りに行くスタンスが必要。

情報をフラットに話せるような仕組みとして、チャットを取り入れることも有効。三井住友カードでも、リクルートのよもやまという文化(自由に上司の時間を確保していい制度)をとりいれて活性化している。また、オイシックスでは朝礼で必ず雑談を入れるようにしていて、コミュニケーションが促進された。

(一次情報の提供とキャッチアップは、本当に重要な視点であり必須のプロセスですね。)

②これからの育成、マネジメントで大事なことは多様性の尊重である

(次に、育成・マネジメント視点での必要な環境について語られました。多様性を受け入れるという内容です。)

目的・ゴールという旗を上司がしっかり立てることが大事。クリック率などの小さいKPIではなくもっと大きな事業者としての目標。

人事部がやっている”教育プログラム”を押し付けても意味がない。会社が会社好みの人材を育てるという視点ではなく、一人一人が成長するために会社がアシストするという視点が必要。

また、自分が会社や、会社が提供しているサービス・商品を愛せないことも問題。自社が愛せるようになれば、それをユーザーに伝えたくなり、自信が持てるようになり、よりポジティブに取り組んでいけるようになる。オイシックスでも、生産者に直接話すことで悩んでいることや喜んでいることが自分事化できるようになるという思いで体験会もやっている。

だからこそ多様的な人間が必要。プロパーだと会社の良さが当たり前になってしまい気づかない。外から来た人間がその良さを伝える役になることも重要だ。

③企業の中に入ったからには「養分となり会社という木の幹を太くしていく」という意識が大事

(続いて、この環境の上であるべきスタンスについて語られました。非常に刺激的な内容です。)

専門性を深堀したいなら事業主に入るべきではない。いろいろな養分と取りながら会社としての木を太くするという意識が大事。

中途社員については、以前やっていた業務だけやってもらうとHOW人間になってしまう。専門性だけにとどまらず「Y型」人材になるべき。専門性を持ちながらいろんな人への関わりや経験をもって活躍していくべきということ。

一方、上司だけが育つ環境を提供するのも違う。部下がしっかり会社の幹となることを意識し、自社に対するコミットをしながら取り組んでいくことも必要だ。

エクセレントCXがエクセレントEXを生む。自分が感動するか、自分がいい会社だと思えるかがクリエイティブやキャリアの大事な軸となる。結果的にそれがお客さんにも出る。だから一人一人が会社の中のリソースではなく、一人一人が会社の中で素敵な時間・体験ができるかどうかを重要視しなければならない。

(会社の幹を太くするという覚悟。この言葉は本当に響きます。)

④会社が人を変えるということは不可能。人は自分でしか変われない。

(最後に、自分で腹落ちすることの大切さについて語られました。これも非常に重要です。)

社長が言っている、上司が言っているだけでは他人事。かみ砕きがないと、自分では動けない。腹落ちすることが重要。

『自分がそれが必要だと思うのか』。自分がやるべきだと思うのかが大事。例えば他部門にお伺いを立てないと進めないときにも、それを超えてやろうと思えるのか。「私はそう思う」と思うことはやってもらうようにすべきだし、どんなに小さくても「私はそう思う」ということをたくさん増やせるようにしていくカルチャーが大事。

𠮷野家の伊東さんは「好奇心だけは教えることはできない」とおっしゃっている。自分の内なる好奇心をもってパワフルにドライブしていくことが必要。

人は人には変えられない。人は自分で変わるしかない。①〜③で語られたことも、自分たち、会社として自分事化しなければ何も生まれない。

まとめ:会社が社員にコミットする。社員が会社にコミットする。

いかがだったでしょうか。今までまとめたレポート記載の内容を『組織の中でいかに実践していくか』のエッセンスが散りばめられていたと思います。

四つのコツにしてまとめましたが、四つそれぞれで語られたことは珠玉です。社会や消費者のコンテクストにあわせ約束するために、社員にも覚悟を持ってコミットする必要があるのです。

他のレポートはこちらからどうぞ。

それでは、んちゃ。




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