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「なんでお客様が来ないんだろう!」と「なんでお客様が来るんだろ〜」は全く同じ悩みだと思う。

長年飲食店をやっていると、友達の友達や、友達の友達の友達とか、もはや他人のような人から相談を受ける事があります。

勿論内容はそれぞれですが、こういう事が多く相談されます。

※内容はフィクションです。
駅から徒歩5分にある喫茶店。
20年近くやっていて、オーナーはAさん50代。
今時のカフェというより昭和の喫茶店。
近隣は徒歩15分ぐらいの小さいオフィス街。
中小企業が集まってます。

Aさんのお店に来る理由は、朝のモーニングやランチ終わりにコーヒー飲むとか、ナポリタンやピラフもあるのでランチ客も少なくない…コーヒーが好きで脱サラして開業したので、できたらコーヒーの香りの漂うお店にしたいらしい。

ここ数年売上が悪く、悩んでいました。

何とか起死回生の売上を上げたい!という相談。

 私が近隣調査した結果…

ちょっと下世話な話になるけど…わかりやすいので比喩として捉えてください。

Aさんのお店より少し後にオープンした似たようなBという喫茶店が、ほぼ同じ条件で近隣にありました。
コーヒーの味も店の雰囲気もオーナーの人柄もさほど変わりない…
私が見た限り一つだけ違う所がありました。
最近入ったのいう、アルバイト。
とても脚が綺麗で、本人は自覚してるのかミニスカートを履いて働いてます。
店内は男性サラリーマンで連日満員…

Aさんのお店を見ると、働いてるのはオーナーの50代の奥さん。

近隣調査の結果をオーナーAさんに報告。
「B店が繁盛してますね!」
「これからやる事はB店舗のミニスカートのお姉さんに負けない女性を雇いましょう〜!」と言うと…
「ふざけるな!俺はコーヒーが美味しい喫茶店をやってるんだ!ミニスカートだか何だか知らないけど、そんな商売はしたくない!」と言うでしょう〜
「そうですよね!でも現実はあのミニスカートの価値を超える価値を考えなければなりません。」

案外、価値を持っているのにお客様に伝えてないケースも多いですよね!

さあ!考えよう〜!

喫茶店が1軒しかなければ、繁盛するはず…
(勿論、街があって、普通に美味しいコーヒーがちゃんと出てくる事が前提…)
2軒出来れば同じ条件なら半分に分かれます。
どちらかに上回る価値が存在したら、そちらに人は多く流れます。
価格や場所なども影響しますね!

繁盛しているB店には続きがあります…
B店のオーナーは儲かったので2号店を少し離れた場所にオープンさせました。
思ったよりも儲からない…
なぜだろう…
こちらの店にはミニスカートの女性が働いてない…
B店のオーナーは、あのミニスカートの女性が店の価値で、サラリーマンで満席だった事を知らなかった…
うちの喫茶店のコーヒーはどこの店よりも美味しいからお客さんが来ていたのだと思っていた。
残念ながら2号店は2年で閉店。

これ良くある2号店失敗パターン。

「なんでお客様が来ないんだろう!」と「なんでお客様が来るんだろ〜」は全く同じ悩みだと思う。

売上が悪い時はたくさん考えるけど、売上がいい時はそんなに悩まないですよね!
いい時こそミーティングにミーティングを重ねて「なんでお客様が来るんだろ〜」と考えるのが必要だと思います。

価値ってなんだ…


価値の中にはベースとなる基礎価値と、その物を取り巻く感情価値のようなものがあると思います。
“ミニスカートのお姉さん”は感情価値の割合がかなり高い。(一部は基礎価値も含まれる)

私は思う基礎価値とは自分のお店が市場において、ポジションとポテンシャルのことです。
まずは自分のお店の基礎価値を知る事が大切なのではないかと思います。
知れば、次に何をしなければいけないか効率よく時間と力を使えると思ってます。

基礎価値が低い事が問題ではなく、基礎価値が低い事を知らなのが問題だと思う…

また、感情価値がどれなのか?それが来店動機にどれくらいの影響しているのかを知ること。

例えると
①富士の樹海にある一軒家の食堂
基礎価値はとても低いが、高い感情価値があればお客様が来る。
②駅中にある立ち食い蕎麦屋
基礎価値が高いので、感情価値が低くてもお客様が来る。

もしも売上が悪いなら、行動は早くしなければなりません、遅れると損失が多くなります。何をブラッシュアップして、何かを足して、何を引くのか、最短距離で問題解決していかなければならないので大変ですよね!

よく、飲食店成功の秘訣の本とか、売上を上げるコンサルティングとかで、「これをやればお客さんが来る」とかありますけど、簡単にはいかないです。
セミナー聞いて「いい話聞いた!これから自分の店に反映させてみよう」と帰ってきたら、「ん?何から始めるんだ?」となりませんか?
自分の店の基礎価値が分からないのでスタート地点が見えないからだと思います。

「スキルがないけど器用なので歯医者さん始めました。」って人はいないんじゃないかな?
(勿論、医師免許が必要ですから…)
でも、「飲食店のスキルがないけど美味しく物作れるからお店始めました。」って人結構いますよね! 

飲食店もお医者さんや弁護士になるぐらい難しい仕事のような気がします。

なぜなら…
飲食店を開業してからの生存率は、2年で50%、3年で30%、10年で10%と言われています。

コロナで閉店した店はコロナがきっかけであって、遅かれ早かれ閉店に向かってたのではないかと思います。(あっ!ちょっとキツイこと言ってしまいました…反省)

飲食店の利益率は、ほとんどの飲食店で5%程度、株式上場している飲食企業でも8%程度です。
「飲食店やりたい!」って夢はいいと思う。けど「飲食店で儲けたい」って2つの夢を入れるなら飲食店は割りが悪いと思う。

「だからさっきから言ってる基礎価値感情価値ってなんなんだよ!」って思いましたよね…
ごめんなさい…2,000文字超えてしまってるので、次の投稿で説明します…

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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