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中国銀行って日本銀行と違うの?

今回は中国の銀行について書いてみようと思います。

日本では三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行が「メガバンク」といわれますが、中国にも似たような呼び方があります。「四大銀行」といいます。

では、この「四大銀行」とはどの銀行を指すかというと、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の4行を指します。全て中国の株式市場に上場しています。

中国に駐在経験のある方ならこの4つのどこかで銀行で口座を持っているのではないかと思いますが、それぞれどんな銀行だかご存じでしょうか?

中国銀行はどんな銀行?

中国銀行

まず初めに重要な事実をお伝えします。中国銀行は普通の銀行です。

日本でいえば「日本銀行」とは「中央銀行」のことで、個人が口座を持つことはできません。ですが、中国銀行は普通の銀行で、もちろん個人でも口座開設が可能です。しかも四大銀行の中で一番事業規模が小さいです。どのくらい小さいかというと、営業収入(≒売上)は9兆円で日本最大の銀行の三菱UFJ銀行の2倍のくらいです。小さいですね(小さくないですね)。

冒頭の画像で既にネタバレしてますが、中国でいわゆる「日本銀行」のような中央銀行の役割を果たしているのは「中国人民銀行」です。彼らは民間の銀行がお客さんから預かる預金の金利も決めてます(貸出も基準を決めてましたが最近辞めました)。

では中国銀行がなぜ「中国」銀行を名乗れるかというと、古い銀行だからです。1912年にあの有名な孫文が作ってます。中華民国が南京に成立したのが1912年1月1日ですので、中華民国成立後すぐに設立されたことになります。

成り立ちからもわかるように、中国銀行は国有銀行です。

中国農業銀行はどんな銀行?

農業銀行

中国銀行の設立は1912年ですが、四大銀行の中で次に古いのが1951年にできた中国農業銀行(農業銀行)です。

中華人民共和国が1949年10月1日に成立し、中国国民を支えるためにまずは農業!ということで全国の農業を支援するために設立されました。

こんな設立経緯もあり、比較的農業が盛んな西部等の顧客基盤が大きく、拠点数も多い(広いエリアをカバーする必要があるので)です。

拠点

拠点数は多いですが事業規模は四大銀行の中で三番目で営業収入は10兆円くらいです。

農業銀行も農民の皆様を支えるための銀行ですから、もちろん国有銀行です。

中国建設銀行はどんな銀行?

建設銀行

中国建設銀行(建設銀行)は1954年10月1日で第一次5ヶ年計画の初年度です。その名の通り同計画内で強調された、(広義の)建設にまつわる資金を円滑に供給するために設立されました。

そういった成り立ちもあり、建設銀行の特徴は株主の多様性です。電力会社や電力配送会社などが株式を保有しています。ちなみに2019年の営業収入は11兆円くらいでした。

勘のいい読者の方はお分かりかと思いますが、建設銀行も株主が多様とはいえ国有銀行です。

中国工商銀行はどんな銀行?

工商銀行

最後は一番規模の大きい中国工商銀行(工商銀行)です。営業収入は14兆円くらいです。

実は、工商銀行は1984年1月1日にできた新しい銀行です。新しい銀行なのに、日本銀行みたいな名前の中国銀行や、農業銀行、建設銀行よりも事業規模が大きいのは不思議ですが、これにはからくりがあります。

実は工商銀行は、中央銀行である中国人民銀行から分離して設立されました。中国では1983年まで中央銀行が普通の銀行の役割も担っていたのです。日本銀行が他のメガバンクと競争してたらそれは日本銀行が勝ちますよね。

当然ですが工商銀行も国有銀行です。

終わりに

今回は中国の銀行について簡単にご紹介しました。実際の市場では各行競合していますが、全て国有銀行です。しかも工商銀行、建設銀行は全世界時価総額トップ30に入るような会社です。

そう考えると、中国政府の税収が先細って債務が増えていっても、国有企業の株式を少しずつ手放していけばなんとかなりそうな気がしますね(全く何も計算しておらず適当に言っているので、機会があれば計算してみようと思います)。

日本の銀行と比べてなぜこんなに事業規模が大きいのかについては実はからくりがあるのですが、それはまた次回以降にご紹介したいと思います。

「藤田にこんな記事が書いてほしい!」といったご要望があれば、コメントかTwitterまでご連絡いただければ書くように頑張ってみます。

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